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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 米IBM社の研究部門、IBM Researchで野心的な研究が進んでいる。

 現在の人工知能(AI)技術を牽引する深層学習(ディープラーニング)と、以前のAIブームの中核的存在だった記号論理を連携させて、両者の「いいとこ取り」をしようというものだ1-2)。多段階の行動計画の立案が必要な、複雑な問題を解決できるAIの実現を狙う。

 同様な研究は世界的に進んでいる3-4)。人間の知能では、深層学習のようにデータから知識を学習する方法と、記号論理のように抽象的な概念を操作する方法が共存しており、高度なAIを実現するためには両者を連携させる必要があるとの意見は多い。両者の長所・短所は互いに補い合える関係にあることも、研究を後押ししている(表1)。

 その中でもIBM社の研究がユニークなのは、両者の連携のさせ方が独特であるためだ。多くの研究が、記号論理に基づく推論をニューラルネットを使って再現することを目指しているのに対し、IBM社は推論の部分には従来の記号論理の研究成果を使う。