全11204文字
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 日本のロボットベンチャーのエクイティ調達額として過去最大となる約100億円もの資金を調達したGROOVE X注1)。2015年11月の創業後、約4年の歳月を掛けて開発した家庭向けロボット「LOVOT」の出荷が2019年12月、いよいよ始まった。

 80億円近くの資金を投入し、約100人ものエンジニアが開発した渾身(こんしん)のペットロボットはいかなる出来栄えなのか(図1)。

 現代の複雑なロボットの要ともいえるソフトウエア面、さらには5700個もの部品から成るセンサ満載のハードウエア面、その両面から、最新ロボットの構造、仕組みを今号では見てみよう。


図1 ペットロボット「LOVOT」の外観と主なセンサ
図1 ペットロボット「LOVOT」の外観と主なセンサ
全身で11自由度、車輪が左右に2個ある。頭部や顔、腹部、腕など全身のあらゆる外装の下にフレシキブル基板でタッチセンサが埋め込まれている。(写真:GROOVE X)
[画像のクリックで拡大表示]

 まず、LOVOTの位置付けを簡単に振り返る。LOVOTはソニーのaiboと似たコンセプトのペット的なロボットだ。ユーザーと言語による会話はしないが、カメラやサーマルカメラで人を頑健に認識し、よく会う人を覚える。音声認識により人の呼びかけも認識する。そして、瞳の表情や視線、首を横にかしげたりといったノンバーバルな身体の動作で、ユーザーへの愛着を表現することを狙ったロボットである。