ディープラーニング(深層学習)技術の中でも実用化が先行し、画像認識などに広く利用されているCNN(convolutional neural network)を、電力や処理能力に制約がある組み込み機器で実行しやすくする技術がまた1つ現れた。
いわゆるエッジ機器向けの深層学習技術を手掛けるベンチャー企業のアラヤは、同社の独自方式でCNNのモデル規模の圧縮や実行の高速化が可能なツール「Pressai(プレッサイ)」の提供を2020年3月末に始める注1)。無償の評価版を使えば、ユーザーは自社で利用したいモデルにどこまで効果があるかを手元で試すことができる。
アラヤの評価からは有望な結果が得られている。グーグルが2018年1月に発表した携帯機器向けのCNN「MobileNetV2」に適用したところ、圧縮対象である畳み込み層のパラメータ数を1/32に削減しても、分類精度は若干高まったほどである(図1(a))。