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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 2020年3月、富士通と富士通研究所はフランスの国立研究機関Inria(Institut national de recherche en informatique et en automatique)と共同で、IoT機器などで取得した時系列データから異常な状態を検出できる人工知能(AI)モデルを自動作成する技術を開発したと発表した。

  技術の名称はATOL(automatic topologically-oriented learning)1)。富士通らがここ数年研究してきた、時系列データを対象にする独自の機械学習手法2)の一環である。

 一連の技術の特徴は、「トポロジカルデータ解析(TDA:topological data analysis)」と呼ぶ手法を応用していること。通常の機械学習技術がデータの平均や分散といった統計的な性質に基づくのに対し、TDAはデータを空間中の点の配置として見たときの図形的な特徴を利用する。通常の機械学習とは異なる観点から特徴量を抽出することで、既存手法でよい結果が得られなかった時系列データでも、高い精度で分類できる可能性がある