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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 組み込み機器でディープニューラルネットワーク(DNN)を利用する際の最大級の課題は、限られた演算能力の中で可能な限り性能を高めることである。このハードルを乗り越えるために、これまで様々な手法が提案されてきた。ただしそれぞれの方法をそのまま使うだけでは、実用的なDNNを開発できるとは限らない。

 トヨタ自動車の子会社でAI関連のソフトウエア開発を手掛けるトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)は、既存の手法などに基づき、より効果の高い組み込みDNNの実装方法を様々な角度から検討している。

 2020年6月開催の「第26回 画像センシングシンポジウム(SSII2020)」で、現時点までに検討した実装手法と効果の一例を報告した1)。こうした検討を重ねることで現実的な開発プロセスや支援ツールを整備し、高品質のAIを効率よく開発できる体制につなげる狙いである。

 SSII2020の発表では、物体検出用のCNN(convolutional neural network)を対象に、考案した開発手順を適用した。

TRI-ADのオフィス(写真:TRI-AD)
TRI-ADのオフィス(写真:TRI-AD)