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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 「夢を見るロボット」が現実になるかもしれない。

 米グーグルと英DeepMind社が2020年に公表した深層強化学習技術「Dreamer」は、シミュレーターや実環境ではなく、抽象的な潜在空間の中でロボットに行動を学ばせる方法を提案して話題を呼んだ1)

  ロボットが置かれた状況を、低次元の潜在変数とその変化を再現するダイナミクスモデル(世界モデル)で表し、これを相手に無数の動作を試してみることで、ロボットの制御方策(ポリシー)を獲得できる技術である。あたかも新しい環境に身を置いた人が、様々な可能性に夢想を巡らせ、身の処し方を熟考するような格好で学習する。学習に必要なデータや計算量を大幅に減らしながら、高品質の方策を得られることが特徴である。

 この技術を物理的なロボットに利用することを目指す1社がパナソニックだ。