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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 ロボット向けのディープラーニング(深層学習)技術を、動作計画(motion planning)技術と組み合わせる試みがここのところ活発化している。機械学習技術の事前知識と、動作計画技術の扱いやすさ、それぞれの長所短所を補間的にうまく組み合わせられれば、これまでにない成果が得られるとの期待がある。

 例えば、本誌 2021年11月号ではオムロングループの「Neural A」という技術を解説した1)。伝統的な経路探索技術「A」をディープラーニング技術と組み合わせたものだ。また、トヨタ自動車は米University of California San Diegoが開発した「Motion Planning Networks(MPNets)」という手法を拡張し、自社のロボット「HSR(Human Support Robot)」向けに開発している2)

 こうした動作計画技術と機械学習技術の組み合わせを積極的に模索している企業の1つが米グーグルだ。

 グーグルといえば、深層強化学習をはじめとしてロボット向け機械学習技術に非常に積極的な企業だが、動作計画技術との組み合わせについても取り組んでいる注1)。今回は、2021年11月に開催されたロボット向け機械学習の国際カンファレンス「CoRL 2021」で同社が発表した興味深い技術について紹介しよう。

カリフォルニア州のグーグル本社 (写真: Google)
カリフォルニア州のグーグル本社 (写真: Google)