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本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です
本記事はロボットとAI技術の専門誌『日経Robotics』のデジタル版です

 ロボットのマニピュレーションにおいて多関節アームの動きを生成する、いわゆる動作計画(motion planning)にも、ディープラーニング技術によるデータ駆動・大規模化の流れが到来した。

 300万個もの学習データを用いてディープニューラルネット(DNN)を訓練させ、アームの動作計画において従来技術を上回る性能を実現したとの報告が出てきた。米NVIDIA社と米University of Washington(以下、UW)による技術だ(図1図21-2)

図1 点群入力で動的な障害物回避が可能な動作計画技術
図1 点群入力で動的な障害物回避が可能な動作計画技術
米NVIDIA社と米University of Washingtonがディープラーニング技術をベースにして開発した。0.3秒ほどで高速に軌道を生成できる。右の点群画像中の赤い部分はエンドエフェクタの目標位置。(写真:NVIDIA社・University of Washington)
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 NVIDIA社はロボット分野の研究開発にも注力しており、米国シアトルにロボット研究の拠点「Seattle Robotics Lab」を置いて、人間の生活空間で活動するロボットについてUWと共同研究を進めてきた3)。本誌が2019年9月号で解説したように、中でも動作計画技術については特に積極的に開発しており、今回の技術もその成果である。