PR
4/1朝まで
どなたでも有料記事が読み放題「無料開放デー」開催中!

米Oracleは2018年8月、「自律化(Autonomous)」をコンセプトにしたデータベース(DB)クラウド「Oracle Autonomous Transaction Processing」の提供を開始した。クラウド市場で攻勢をかける切り札だ。

 Autonomous DBの心臓部に当たるのが、独自開発を進める機械学習エンジン。これに同社のデータベースマシン「Oracle Exadata Database Machine」やOracle DBの自動化機能などを連携し、自律的な運用を可能にするという(図1)。

図1●Autonomous DBの構成要素
図1●Autonomous DBの構成要素
[画像のクリックで拡大表示]

 Oracle DBは、これまでもチューニングや監視などの自動化を進めてきた。自動化と自律化の大きな違いをOracle データベース・システム・テクノロジー マスター・プロダクト・マネージャのマリア・コルガン氏は「アドバイスに基づいた変更作業をユーザーに委ねるかどうかにある」と説明する。

 例えばパフォーマンスチューニング。これまでも、SQL診断ツールであるSQLチューニング・アドバイザからパフォーマンス改善に向けたアドバイスは自動で得られた。ただし、インデックス作成が推奨されても、実際に適用するかどうかはユーザー次第だ。一方、「Autonomous DBではインデックスの欠落を見つけると、インデックスの作成、検証、実装までをユーザーに代わって自律的に行う」(コルガン氏)。

 Autonomous DBはログなどを取り込み、機械学習によりDBの状態を診断する。インフラやソフトウエアを継続的にモニタリングし、DBに異常がないかを監視。異常を検知した場合は、関連するログや情報を絞り込み、既知の問題と照合する。合致した場合は、該当パッチの適用といった対処を自動で行い、ユーザーの手を煩わせることなく、安定稼働に努める。

 発生した事象が未知の場合は、取得したログや情報について問題チケットを自動で払い出し、オラクルのエンジニアによる解決につなげる。対処に基づいて新たなパターンを機械学習エンジンに学ばせ機能改善を繰り返す。

 なお、今回のオンライントランザクション処理(OTLP)版に先立ち、既にデータウエアハウス(DWH)版「Oracle Autonomous Data Warehouse Cloud」を2018年3月に提供済みである。

管理作業をオフロード

 Autonomous DBを使えば、これまでDB管理者(DBA)が担ってきた運用管理作業の多くをオフロードできる。

 「当社の調査によれば、管理者は作業時間の72%から80%をバックアップやパッチ適用、アップデートといった反復的な作業に費やしている」。コルガン氏は現状の課題を指摘したうえで、「Autonomous DBでこうした仕事を管理者から取り除けば、管理者は参加できるプロジェクトの数が増えるし、もっとビジネスユーザーや開発者と密に連携できる」と利点を話す。

 ただし既存のOracleユーザーがこうした変化を受け入れるかどうかは未知数だ。無人運転は良いと分かっていても、特に基幹システムに手を加えるハードルは高い。これまでの運用や体制を変えたくないというOracleユーザーが、Autonomous DBをどう評価するのかが注目点だ。