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Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureに続くシェア獲得を目指し、中国発の「Alibaba Cloud」が日本でのサービス強化を急いでいる。狙うはオンプレミスに構築した企業システムの受け皿だ。

 Alibaba Cloudは、中国のEC(電子商取引)最大手であるアリババ集団が提供するパブリッククラウドだ。中国でECサイトの販売がピークになる「独身の日(11月11日)」に、1秒間で32万5000件のオーダーを処理できる性能やセキュリティの高さを売り文句にしている。

 パブリッククラウドサービスとしてインフラ領域のほかに、ビッグデータ処理やAI(人工知能)関連など200種類以上のサービスを提供する。日本向けにも70種類以上のサービスを提供済みだ(表1)。

表1●「Alibaba Cloud」の概要
表1●「Alibaba Cloud」の概要
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 「これまでは中国に進出する日本企業の利用が中心だったが、これからは企業システムのインフラとしての国内採用を目指す」。日本でAlibaba Cloudのサービス開発や販売などを手がけるSBクラウドの奥山朋 技術部長はこう話す。Alibaba Cloudが日本にリージョン(広域データセンター群)を開設したのは2016年11月。2年がたち、Alibaba Cloudは企業システムでの採用に欠かせないサービスの拡充に注力してきた。

 その1つがデータベース「PPAS(Postgres Plus Advanced Server)」のマネージドサービスだ。2018年8月30日に開始した。PPASは、Postgre SQLにOracle Databaseの互換機能を加えた米EnterpriseDBが開発したDBだ。「Oracle Databaseからの移行ツールも間もなく提供するので、オンプレミスからの移行の障壁を下げられる」と奥山部長はみる。

 Oracle Databaseに加え、既存のオンプレミスシステムで利用が多い仮想化ソフト「VMware」向けの環境も提供する計画だ。提供済みのベアメタルクラウドで、VMwareを利用できるように準備を進めている。中国では既にVMwareを利用可能で、日本でも年内開始を目指す。

 企業システム向けのサービス強化に加え、「日本の商習慣に合わせた販売、サポート体制を構築するなど、販売施策も日本の企業向けにしている」(奥山部長)。

 SBクラウドの設立がその1つだ。ソフトバンクが60%、中国アリババ集団が40%を出資している。Alibaba Cloudの日本法人は登記されているものの、SBクラウドが実質的にAlibaba Cloudの日本拠点の役割を担っている。「専用線を使ってAlibaba Cloudを利用したい顧客に対してソフトバンクのサービスを紹介するなど、ソフトバンクの力も生かしている」と奥山部長は話す。

 企業システムの獲得を目指しサービスを拡充するAlibaba Cloudだが、導入を手掛けるSIパートナーはまだ10社程度にとどまり、大手SIベンダーはパートナーに名乗りを上げていない。加えて技術者の育成など、日本市場でのシェア拡大に向けた課題はまだ多そうだ。