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モデルを明確にしてビューを選択

 続いて、営業部門の営業成績向上をテーマに、モデルの表現であるビューについて考えてみよう。

 まず、営業成績を表現するモデルを定める必要がある。このとき、販売数、売り上げ、利益、案件規模、顧客満足度など、どういう視点で捉えるのかによってモデルは異なる。

 例えば、販売数を営業成績のモデルとして選択したとすると、営業担当者と売り上げ数の2要素からなるデータ列(ここではレコードと表現する)でモデル化できる。(山田,10),(鈴木,25),(木下,15)といった具合だ(図2)。

図2●モデルにビューを適用して図を得る
図2●モデルにビューを適用して図を得る
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 図2に示すように、このようなレコード型のデータは例えばExcelの表として表現できる。そしてこれらは、グラフ作成機能を使って様々な種類のグラフとして可視化できる。つまり、1つのレコード型のモデルから、表、棒グラフ、円グラフなどの複数種類の表現、つまりビューが作られているわけだ。

 ビューにはそれぞれ特徴がある。棒グラフは差が分かりやすいし、円グラフは全体への寄与度を把握しやすい。表はこの例では特にメリットはないが、数字を正確に比較しやすいといった特徴が重要な場面はある。グラフなどのビューは、読み方が共有されているので確実に内容が伝わる上に、効率良く作成できる良い図表である。

 前回紹介したグリッド型のテンプレートも、ビューである。基本とバリエーションのビューの例を図3に示す。変形例1のビューは「内容」の形状を矢羽根型としたもので、作業プロセスを明示したいときには分かりやすい。変形例2は、変形例1の縦横を反転させたビューだ。作業プロセスのステップ数が多くなってきたときには、縦に伸ばせるのでこちらのほうが分かりやすく表示できる。

図3●グリッド型ビューのバリエーション
図3●グリッド型ビューのバリエーション
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 このように、モデルとして伝えたい内容を明確にした上で、ビューを選択するという手順で図を組み立てることで、確実に伝わる図を効率良く作ることができる。これがモデルとビューを使って図を描くことの利点だ。さて、グリッド型のビューの応用を考えるには、このビューがどんなモデルを表現できるのかを知る必要がある。次回はこの観点から説明を続ける。

林 浩一(はやし こういち)
ピースミール・テクノロジー株式会社 代表取締役社長
林 浩一(はやし こういち) 富士ゼロックス、外資系データベースベンダーを経てウルシステムズに入社。自治体・大企業のシステム内製化とPMOに特化した関連会社(現職)を設立、代表に就任。技術者をコンサルタントとしてスキルアップする育成手法を開発、展開のためのサイト「MALTドキュメント研究所」を運営。