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複数の本を同時期に読む

 今読んでいる本を読み終わってから、次の本を読む。これは一見まっとうな本の読み方に思えます。しかし、ビジネス書に関しては、そのやり方が正しいとは言えません。今読んでいる1冊に手こずり、次の本にいけず、読書量が減っていくことがよくあるからです。

 筆者は、書籍を同じ時期に何冊も同時並行で読みます。これを「パラレル読み」と呼んでいます。1冊ずつ読破しようとすると、1冊読み終わると分かった気になって、そこで次の本を読まずにやめてしまうリスクがありますが、パラレル読みをしていれば、どこかの1冊で停滞しても、他の本を読み進めることができます。

 また、パラレル読みをすると、共通見解と相違見解がつかみやすくなるメリットがあります。初めの1冊は簡単な入門書などにして、その後は複数の本の必要箇所をサーチ読みしながら同時に読んでいくと、「ここは前の本と同じ内容だから読み飛ばそう」「ここは違うことが述べられているからマークしておこう」などと、本を読むスピードも理解力も上がってきます。

 半ば強制的に自分に多読を課すために、同じ領域の関連書籍を5~10冊くらいまとめ買いするのは1つの方法です。「積ん読(つんどく)になったらもったいない」という意見もあるかと思いますが、むしろ「読まなくてはもったいない」という心理になれば、1度は手に取るはずです。こうして積極的にパラレル読みを進めましょう。

キッチンにも読書スペース

 筆者はコンサルタント時代、自分にとって全く新しい分野の知識を得ようと思った場合には10冊以上の本を同時に買うようにしました。ある程度なじみのある分野でも5冊くらい買いました。

 本をまとめ買いしたら、それらを並べて目次を見ます。本の厚さやテーマを考えながら、「これは電車の中で読む」「これは休日に一気に読む」「寝る前に読むのはこの本」といった具合に、「いつ、どこで、何を読むか」を決めます。

 筆者の場合、読書する場所は限定していません。書斎や電車の中はもちろん、ベッドルームやキッチンの片隅など、あらゆる場所を読書スペースにしています。こうすることによって、日常生活の様々なシーンに読書を取り入れて習慣化することができます。

 年間に100冊以上読む読書家の人に聞くと、まとまった読書の時間を確保している人は少ないものです。隙間時間を積み重ねて読書する時間を確保しています。読書は学びの基礎力につながるので、ぜひ習慣化させることを推奨します。

清水 久三子(しみず くみこ)
AND CREATE 代表取締役社長
清水 久三子(しみず くみこ) アパレル大手を経て、1998年にプライスウォーターハウスコンサルタント(現・日本IBM)に入社。新規事業戦略立案・展開支援などのプロジェクトをリードする。その後、プロジェクトマネジメント研修やリーダー研修など社内外の研修講師を務め、独立。著書に『ITエンジニアのための通じる文章にする五つの力』(日経BP社)、『できる人が絶対やらない資料のつくり方』(日本実業出版社)など。