PR

 プレゼンテーションスキルやプロジェクトマネジメントスキルなどはITエンジニアに必要なビジネススキルです。ただ、これらのスキルは、読書や研修などの座学だけで学ぶことは難しい領域です。座学で学習するだけではなく、日々の業務を通じてそれらのスキルの要点をどれだけ学び取れるかが、効率良くスキルを向上させる鍵を握ります。

 では、どのようにすれば日常の業務からスキルを学び取れるのでしょうか。それは自分や周囲の人が実行していることを形式知化することです。このとき必要なのが、スキルの要素分解です。大抵のビジネススキルは複数の要素を組み合わせることで成り立っていますので、分解することで効率良く習得できるようになります。先ほどの2つのスキルを例に、学び方を紹介しましょう。

不足部分をはっきりさせる

 まず、プレゼンテーションスキルを要素分解します。ここでは、「プレゼンス(自分の存在感)」「コンテンツ(内容や資料)」「デリバリー(伝え方)」の3つとしましょう。要素を自分なりに分解したら、それらを高めるためにはどうすればよいかを考えます。具体的な行動につながるレベルまで詳細化することがポイントです。

 例えばプレゼンスを高めるには、「専門性や人間性が伝わるように自己紹介をする」「服装や姿勢、立ち居振る舞いで印象をコントロールする」「熱意を感じさせるアイコンタクトをする」といったことに気をつけます(図1)。

図1●高めたいスキルを要素に分解
図1●高めたいスキルを要素に分解
[画像のクリックで拡大表示]

 スキルを要素分解した上で、それらを高めるための行動を思い浮かべていくと、自分に足りていない部分がはっきりとします。その不足している部分について、日常の業務を通じて学んでいけばよいのです。

 高めたいスキルを要素分解しないと、プレゼンテーションスキルが足りないと思っていても、どう努力すればよいのか分かりません。「私は人前で話すのは向いていない」と漠然とした苦手意識で終わってしまうでしょう。

 筆者の例で言えば、コンサルタント時代はコンテンツが重要だったので、分かりやすい資料作りに力を入れていました。しかし、独立後は講演など初めてお会いする大勢の人の前で話す機会が増えたため、プレゼンスを高めるように工夫しました。書籍や研修で学ぶ他、毎回のプレゼンを振り返り、自分の経験から学んで改善していきました。

 もう1つ、プロジェクトマネジメントスキルの場合はどうでしょうか。プロジェクトマネジメントについては、求められる知識を体系的に示した『PMBOK(Project Management Body Of Knowledge)ガイド』を参考にするとよいでしょう。

 PMBOKガイドでは、「スコープマネジメント」や「スケジュールマネジメント」「コストマネジメント」など合計で10個の知識エリアが規定されています。プロジェクトの終了時などに、それぞれの知識エリアについて振り返りを実施することをお勧めします。