PR

「自分のサービス」にこだわる

 ショッピングモールのららぽーとの運営などを手掛ける三井不動産の矢野竜也ITイノベーション部開発グループ技術主事も特徴的な経歴の持ち主だ。

三井不動産 IT イノベーション部 開発グループ 技術主事 矢野 竜也 氏
三井不動産 IT イノベーション部 開発グループ 技術主事 矢野 竜也 氏
[画像のクリックで拡大表示]

 現在は、三井不動産のIT部門に所属し、顧客接点になるシステムを受け持っている。ECサイトの「& mall(アンドモール)」や、スマートフォンアプリの「三井ショッピングパークアプリ」などの担当だ。

 & mallも三井ショッピングパークアプリも、矢野氏は要件定義から関与し、リリース後の今でも機能追加や改善を続けている。システムオーナーは事業部だが、矢野氏にとっては「自分のサービス」だ。この「自分のサービスを作りたい」という思いが、矢野氏がキャリアを再考した原動力である。

 矢野氏の経歴はこうだ。矢野氏は新卒でSIerに入社する。そこで担当した仕事は客先常駐。業務内容はWebマーケティングに関わるシステム開発やデータ分析だった。SEO(Search Engine Optimization)対策やリスティング広告の効果を集計するバッチ処理、データベースのチューニングまで幅広く手掛けた。

 5年ほどこの仕事を続けたところ、「自分のサービスを作りたい」という気持ちが芽生え始めたという。どんなに良いシステムを作ってもそれは顧客企業のもの。客先常駐という立場では「自分のサービス」と胸を張って言い切れないことが矢野氏を悩ませた。

 思い切ってネットサービス大手のDMM.comに転職する。ここで矢野氏はオンラインゲームのプラットフォームシステムを担当。複数のゲームで共通して利用する機能の開発を手掛けた。ログインボーナスやユーザー同士のコミュニティー機能などだ。このほか、ユーザーの行動を分析してゲームの収益を最適化する機能を作り込んだ。

 念願の、自分のサービスを作れたと思ったが、オンラインゲームの事業が拡大するにつれて矢野氏の環境も変化していった。エンジニア組織が大きくなり、分業化が進んだのだ。以前のように、1つのサービスを自分のチームで企画から運用まで担当することができなくなった。

 自分のサービスと言い切れない状況になった矢野氏は再び転職を決意する。今度はユーザー企業の三井不動産だった。

 三井不動産に入ってからは、外部のITベンダーに委託するため、コーディングやミドルウエアの設定などはしなくなった。しかし、データベース定義書を隅々までチェックして、要件通りに設計されているかを確認するなど「自分のサービス」として責任を全うしている。