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 4社の社内認定資格は共通点が多い。4~5段階にレベルを分け、分野ごとにITエンジニアを認定する。認定には、知識だけではなく業務経験が問われる。上位レベルになるにつれ、後進の育成や論文の対外発表などが重要視され、1年ごとに更新のための審査がある。

 共通点が多いのは経済産業省が公開しているITエンジニアの技術体系「ITSS(ITスキル標準)」に準拠しているためだ。富士通と日立は社内資格とITSSのレベルを明確に対応付けている。いわばITSSが各社の共通認識であり、ここで示した4社の図が、実態に即した「日本のITエンジニアのキャリアパス」というわけだ。

 4社の認定制度を見てみると、共通している分野は「プロジェクトマネジャー」と「ITアーキテクト」である。これが日本のITエンジニアの2大キャリアパスと言える。

 各社の認定制度を細かく見ると差もある。ITSSに資格のレベルを対応付けている富士通と日立のうち、富士通はITSSのレベル5以上をFCPとしている。これに対して日立はレベル3から認定する。このため、FCPの取得人数は約4000人と、企業規模の割には少ない。FCPの市場価値を高めている。一方の日立は日常業務に資格を強くひも付けている。日立が請け負うプロジェクトのPMは、認定資格のブロンズ以上を取得していなければ担当できない。

デジタル分野は別に規定

 社内認定資格に加え、各社が育成に力を入れ始めているのがデジタル化を担う人材だ。

 富士通は「事業アイデアの創出」「サービスの実装・検証」「事業運営」といった一連の活動を支援できる人材を「デジタルイノベーター」と規定。2020年3月までに、1200人に増やす。このほか、Pivotalジャパンと提携し、2019年3月までに200人のアジャイル人材を育てる計画だ。

 NTTデータは、デジタル化に必要な豊富な知識を持った技術者を「デジタルテクノロジーディレクター」と名付け、2021年4月までに200人体制にするという。

 日立はデジタル化プロジェクトで有効とされるデザイン思考を活用する人材「デザインシンカー」を育成する。デザインシンカーは顧客の本質的な課題を発見し、解決策を導き出す役割を担当する。2022年3月までに500人育成する予定だ。

 NECは2020年までにデジタル化の専門部隊を2000人に増強する計画を掲げ、人工知能やIoT(インターネット・オブ・シングズ)に詳しい人材の育成を進めている。