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 ユーザーの行動フローだけでなく、サービス提供側の業務フローも描いていきます。図6は、顧客から注文されたパンを焼いて発送の準備をする業務フローを整理したものです。提供側のフローを描くことで、商品の内容がさらに細部まで具体化できます。必要な管理画面や業務、サービス提供に必要な設備や備品なども見えます。これらの情報が、事業計画を立てる際のコスト計算のインプットになります。

図6●サービス提供側の業務フロー
図6●サービス提供側の業務フロー
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システムに求められる機能やデータを整理する

 次に、システムに求められる機能・データ、そのシステムを使う上で業務としてすべき作業を整理します。図7左は、JQベーカリー社が整理したシステム機能の一覧です。

図7●システム機能と業務機能の一覧を作成する
図7●システム機能と業務機能の一覧を作成する
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 ベースとなるのは、ユースケース分析で整理した業務フロー図です。これを基に、システム機能やデータの一覧を作成します。これらが事業計画のコスト計算や、要件定義の作業見積もりのインプットになります。逆にこの一覧をまとめていないと事業計画も甘いものになり、要件定義の作業計画も実行性のないものになってしまいます。非常に重要なプロセスです。

 システムの機能だけでなく、このサービスを運営するに当たって必要な業務も一覧化します(図7右)。事業計画を立てる際に、サービス運営にどの程度の作業時間・人数が必要になるかを見積もる必要があります。そのための材料になります。

 JQベーカリー社のようにシールプリンターや発送用の箱などの備品類が必要になる場合は、それらも一覧化しておきます。これも事業計画を作成する際のコスト見積もりで必要です。

 機能やデータなどの一覧を整理したら、システム構成図を描いていきます。システム構成図は、要件定義以降の計画を立てたり、体制を考えたり、IT部門や開発会社にサービスの説明をしたりする際に便利です。DXプロジェクトをリードする立場の人はこのシステム構成図を常に最新化して、今作ろうとしているものを俯瞰(ふかん)できるようにしておきましょう。