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赤字サービスを生み出さないために

 新しいサービスを準備し運営するに当たって、どの程度のコストがかかるかを計算します。コストの洗い出しと計算が不十分だと、いざサービスを開始してみたら、構造的に赤字ということになりかねません。図9のようにコストの種類を整理し、それぞれの項目を見積もります。

図9●コストを構造化し、各項目について見積もる
図9●コストを構造化し、各項目について見積もる
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 このうちシステム開発コストの見積もりは、開発会社等に依頼する必要があります。このとき、サービス要求定義」のプロセスで整理した、システム機能一覧やシステム構成図が活躍します。

 開発会社にサービスで実現したいことだけを説明しても、正確な見積もりは出てきません。具体的な機能の一覧などを提出することで、コストの精度を高められるのです。

 なお、開発会社によっては社内のリソース状況や決裁の手続き等で、見積もり提示までに想定以上の時間がかかるケースもあります。それを見越して、余裕を持って依頼することが重要です。

 業務運用費用(オペレーションの費用)については、このサービスを運営するに当たって発生する業務1つひとつに対してどの程度の時間がかかる可能性があるのか、またその時間を人件費に換算するといくらになるのかという視点で計算していきます。

 いずれのコストも固定費なのか、注文数や会員数に応じて変動する変動費なのかを明らかにしておきましょう。収益モデルの計算に必要になります。

マイルストーンや目標を決め、事業計画をまとめる

 時期ごとのユーザー数や売り上げ、初期費用を回収できる時期などを具体的な数値として整理します。

 とはいえ、何もないところからいきなり事業計画は立てられません。まずは最初の足がかりとして、商品やサービスを世の中に展開するストーリーやマイルストーン、目標値を決めましょう。

 仮に「3年で初期費用を回収する」というマイルストーンや目標と立てたとします。価格やコストは既に具体化されているため、3年目で回収するにはいくらの売り上げが必要かが計算できます。そのためには1~3年でどの程度のユーザー数が必要か、その結果コストはどの程度に抑えるべきか、というように収支計画を立てていきます(図10)。

図10●事業計画書の例
図10●事業計画書の例
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 この時点で、期待する収益性が見込める場合は問題ないのですが、明らかに収益性が低い可能性もあります。その場合、コストで削れるところがないか、売り上げを増やせないかを見直します。もっと高い値付けができないかなど、サービスの内容そのものを見直す必要が出てくる場合もあります。