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構想フェーズで実施する作業のうち、「サービス要求定義」以降の3項目を解説する。必要となるシステム機能や業務フローを明らかにし、プロジェクト計画に落とし込もう。計画をしっかりと策定できれば関係者の協力を得やすくなり、プロジェクトの成功が近づく。

 今回は、構想フェーズの4項目の作業のうち、「サービス要求定義」「事業戦略・計画作成」「次フェーズ計画作成」について説明します(図1)。

図1●構想フェーズで実施する4項目
図1●構想フェーズで実施する4項目
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 まず、サービス要求定義です。この作業の目的は、サービスの内容を具体化することです。

 前回、JQベーカリー社では、「ユーザーに最適なパンを組み合わせて定期的に自宅にお届けする」というサービス案を決めました。しかしまだ、「どのような商品を提供するのか」「どのような機能を提供するのか」「どのような業務が必要になるのか」までは具体化していません。

 実際のサービスの利用シーンを思い描きながらこれらを具体化し、後のフェーズで実施する要件定義のスコープを明らかにすることがサービス要求定義のゴールです。ここでのアウトプットが、次フェーズのインプットとなります。

サービス要求定義の作業プロセス

 サービス要求定義の全体の流れを整理します。ここでの「要求」とは、サービスとして何を提供・実現したいのかを示します。つまり、サービスに求められる機能や業務です。

 サービス要求定義では、まずサービスの登場人物と利用シーン・関わり方を整理します(アクター/ユースケース整理)。それぞれの利用シーン・関わり方をフローにして具体化し(ユースケース分析)、必要な機能を整理して、最後にサービスの提供メニューや商品を決定します。これらは「システム機能要求整理」と「業務機能要求整理」と呼びます(図2)。順に見ていきましょう。

図2●サービス要求定義の流れ
図2●サービス要求定義の流れ
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 最初に、サービスの登場人物と、それぞれのサービスへの関わり方(利用シーン・利用方法など)を洗い出します。登場人物を「アクター」、利用シーンや関わり方を「ユースケース」と呼びます。サービスの全体図を眺めながら、どんなアクターが登場するか考えます。その上で、アクターごとにサービスのユースケースを想像しながら整理していきます(図3)。

図3●サービス概要図と、アクター/ユースケース整理
図3●サービス概要図と、アクター/ユースケース整理
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 この段階では完璧にユースケースを洗い出していなくても構いません。まずはサービスを利用するユーザーや提供する側が“主に”行うことを洗い出します。細かいパターンは、この後のユースケース分析で検討します。