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統合型のデータ基盤は簡単に非構造化データを活用できる。オラクルユーザーならOracle Cloud Infrastructure(OCI)がクラウド移行しやすい。シームレスなクラウド移行を可能にするデータ基盤の設計法を学ぼう。

 本連載はデータ基盤設計時のポイントを解説します。前回まで「Amazon Web Services(AWS)」や「Microsoft Azure」を使ったデータ基盤の構築シナリオを説明しました。これらのパブリッククラウドはオブジェクトストレージにデータを格納し、個々のサービスでデータを活用するという利用方法です。

 今回は統合型データ基盤を米オラクル(Oracle)のパブリッククラウドサービス「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」で構築する方法を解説します。統合型は1つの製品にRDBMSやNoSQL、Analyticの機能が集約された構成になるという特徴があります。仮想企業のA社を例に見ていきましょう。

SNSデータを活用したい大企業のA社

 以前から北米に進出している製造業大手のA社は現地オフィスに近いデータセンターで現地法人の社内システムを運用しています。業界各社がDX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組むなか、A社でもSNSのデータをはじめとした外部データを取り込んで販売促進に活用することになりました。まずA社の製品シェアが高い北米の現地法人でデータ基盤を構築し、その効果を確認することにしたのです。インフラにはクラウドサービスを利用し、追加開発のスピードアップも狙っていました。

 新データ基盤の目的は、(1)SNSデータを分析して販売促進施策の効果を可視化し、評価と改善に生かすこと、(2)データ基盤はクラウド化するが基幹システムのパフォーマンスと可用性は落とさないこと、という2つです。

 A社のシステムはOracle Databaseを使用していました。機能や品質を評価していて、SIerの手厚いサポートが受けられていたからです。システムの構築・保守は一括してグローバル展開する日本のSIerに依頼していました。

 A社はデータ基盤の構築もこれまでと同じく日本のSIerに依頼することにしました。A社の業務とシステムに精通していることやA社内にシステムを内製できるスキルセットを備えた人材がいないこと、短期間で大きく体制を変えるのが難しいこと、SIerへの依存度が大きいこと、などが主な理由です。SIerは製造業のDX案件に取り組んだ実績があったため、DXのコンサルティングも依頼することにしました。

 SIerにデータ基盤の構築方法を相談した結果、OCIであればスムーズに移行でき、SIer側の体制が変わらないことが分かりました。OCIが最適であると判断したのです。