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解説
環境、プロセス、自分自身の整え方

 連載第2回の「見せる」のところでも触れたが、まずは話が進みやすくなるための物理的環境を整えることから始まる。とは言っても、ミーティングスペースや会議室など場所が限られていることも多い。限られた場所でも見せる化ができるように、事前に必要なモノはあらかじめ準備しておくことが大切だ。

 お勧めは、付箋やホワイトボードマーカー、サインペンなど見せる化に便利な小道具を道具箱に入れて、いつでも持ち運びができるようにしておくことだ。こうした小道具がないため、話のプロセスが見えないミーティングになってしまうのではもったいない。ミーティング準備リストを用意したので参考にして、必要なモノはいつも持ち運べるようにしておいてほしい(図2)。

図2●ミーティング準備チェックリスト
図2●ミーティング準備チェックリスト
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 会議やミーティングの目的によって準備するものは変わってくるが、実はこうした細かな準備が話し合いのプロセスを大きく左右することもあるので注意したい。

プロセスを整える

 話し合いのプロセスは「セットアップ」「発散」「収束」の3つに分けて考えておくと、会議やミーティングなどに臨みやすい。セットアップとは参加者の意識のベクトルを合わせていくプロセスである。発散は、本題について議論を深め広げていくことだ。そして収束は、発散の段階で出た情報から、話し合いのゴールに向けて導いていくということである。

セットアップでゴールを共有し流れを作る

 この3つの中でも大切なのがセットアップのプロセスである。具体的には、話し合いの目的の確認、時間や進め方、話し合いのゴールの確認などを共通事項として認識していくプロセスである。

 会議やミーティングではテーマやアジェンダ(検討項目)が事前に知らされていることが多く、それに備えて事前準備が行われる。一方で、話し合いが終わったときにどういう状態や状況になっていたいのかというゴールイメージは共有されることがなく、曖昧なまま始められることが多い。

 例えば金城さんが仕切った先ほどのケースでは、ミーティングの目的は「不知火君が担当する案件で起きている技術的障害をどう解決していくか」だった。そしてミーティングのゴールは「対策案を出し合って具体策が決まっている状態」である。

 金城さんはゴールを明確にしてミーティングをスタートさせたが、もしそのゴールが曖昧なままミーティングが始まると、各参加者が自分の考えるゴールを持ったまま話し合いを進めることになる。原因を究明すればよいのか、アイデアを出せばよいのか、対策を立てるところまでいくのか、参加者によって目指すゴールが違うと話がいろいろな方向に広がってしまうのだ。

セットアップで言う内容は決まり文句にしてしまう

 もし、あなたが主催者であれば、金城さんのように、冒頭の段階で「この会議(ミーティング)では、終わったときに~な状況(状態)になっていたいので、ご協力よろしくお願いします」と言うとよい。その一言だけで、参加者の認識がかなり違ったものになるはずだ。

 実は、セットアップで共有することはどんな会議やミーティングでも大きく違わない。言うべき事や共有すべき事を表1にまとめておいたので、決まり文句として言えるように、自分のものにしてほしい。ちなみに筆者の経験上、冒頭のゴールを共有する段階で、異論を唱えられたことはほとんどない。ぜひ意識して決まり文句を使ってみてほしい。

表1●セットアップで伝えておきたいこと
表1●セットアップで伝えておきたいこと
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参加者は確認の質問でセットアップ

 ここまで、自分が話を進める側で書いてきたが、一参加者として話し合いに参加する場合も、セットアップを行うことは可能だ。確認の質問を入れてセットアップを行う方法がある。

 例えば打ち合わせのゴールイメージが曖昧な場合には、「打ち合わせ終了時にアイデアがいくつか出ていればよいとの認識でよろしいですか」と確認の質問をすることで、ゴールがはっきりすると同時に、参加者の意識のベクトル合わせが可能になる。付箋を使った方がよい場合では「付箋を使って進めるという理解でよいですか」と確認することでセットアップできる。