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Question

 IT部門に勤務する50代です。会社から退職を勧められています。いわば肩たたき(リストラ)。面接のたびに断っているのですが、何回も呼び出されて同じ話をされます。年齢や家族のことを考えると辞めたくありません。いったいどうしたらよいのでしょうか。

Answer

 いわゆる退職勧奨です。一定程度の退職者を見込む希望退職募集の面接、社員の個人的問題での面接などで一般に行われています。社員に退職を促す行為であり、強要に当たらない範囲であれば行うことができます。ただし、度を超えた面接回数や長時間にわたる面接(拘束)などの行為は退職強要になります。

 混同しがちなのが解雇です。解雇は文字通り一方的に退職させる行為で、クビということになります。会社は当然、自由に解雇することはできません。ご存知のように解雇のハードルはとても高く、一般に考えて解雇相当だと誰もが思うレベルでなければ言い渡せません。

 これに対して質問者が迫られている退職勧奨は、解雇のように一方的に退職させるものではありません。会社が退職を勧めるのであって、退職するか否かはあくまで本人の意思次第。本人の意思にかかわらず、退職を余儀なくさせる言動や対応は退職強要となり許されません。

退職勧奨の理由は様々

 退職勧奨の理由は様々です。社員の能力や資質が会社業務に向いていない場合や、服務規律違反が多い場合など、本人に起因する理由で行われます。経営状況が悪い会社側の問題で行われる場合もあります。

 ポイントは、退職勧奨とはあくまで退職を勧め、促す行為ということです。結果は本人の自由意志によります。このため質問者が、一般に解雇だと認められるような理由がなければ、断っても問題になりません。

 一方で、会社側が勧奨のつもりでも、その実態が退職強要になれば問題です。本人が退職したくないのに、退職を余儀なくさせるような行為です。退職勧奨は当然、面接で行われます。面接する側もついエスカレートしパワハラ的な発言で社員を追い込む場合があります。何の根拠もなく、退職しないなら「転勤させる」「降格させる」「解雇処分にする」などの言動はパワハラです。

 さらにダラダラとした長い面接、つまり長時間にわたって拘束する面接も、社員を追い込みます。延々と長い時間をかけて退職勧奨の話をされたら、誰でもつらいのは当然です。筆者は30分程度が妥当だと考えます。延長しても1時間以内。それ以上時間をかけるのは面接官の話下手を除けば、わざと長期戦に臨んでいるのだと見なされても仕方がありません。

 退職しないと意思表示しているにもかかわらず。3回、4回と何度も呼び出して同じ話を繰り返すのもNGです。同じ話で何回も呼び出し面接するのは、会社側が長期戦に臨んでいるとしか考えられません。せめて前回と異なる話や条件が無ければ、単なる嫌がらせとして退職強要になるでしょう。

杉本 一裕(すぎもと かずひろ)
人事コンサルタント
杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 大阪府立大学大学院/経営学修士(MBA)修了。IT企業在職中は人事領域のコンサルティングを多数実施する。その後、社労士と行政書士事務所を開業。IT・医療・学校・製造業や流通業など幅広い業種の顧問先業務に従事する。