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Question

 システム開発業務が多忙なため、先日徹夜で作業しました。ところが日をまたいだ時間分を残業として申請したところ、上司から「仕事の効率が悪いからだ」などと言われ、事前申請していなかったこともあり、残業時間として認められませんでした。こうした状態は違法ではないのでしょうか。

Answer

 本番稼働前のテストや改修、稼働後のフォローなど、ITの現場では徹夜での作業が発生する場合があります。最近の人手不足で、常に多くの業務を抱えているSEの方もいるようです。では、日をまたいで勤務した場合、残業時間はどうなるのでしょうか。

 まず大切なポイントは、事前申請のある無しにかかわらず、会社は残業代を支払わなければならないことです。労働基準法では、1日8時間を超えた労働時間分は、残業割り増し25%以上を支払うよう定めています。また22時から翌朝5時までは、残業割り増し25%とともに深夜帯割り増し25%も発生します。

残業は始業時刻でリセットされる

 次に押さえておきたいのは、1日は0時から24時までですが、24時を過ぎた時間もその1日の勤務として取り扱う点です。つまり、徹夜で連続して勤務した場合、翌日の始業時刻までは当日の残業時間となり、翌日の始業時刻から新たな勤務が始まります。

 日をまたがって勤務した場合、なぜ翌日分の残業時間を翌日分として扱わないのでしょうか。これは、日々の始業開始時刻を迎えると、残業時間が一旦リセットされ、新たな労働時間のカウントが始まるためです。

 そもそも深夜残業を認めないという質問者の会社は違法状態であり、言うまでもなく残業代を支払わなければなりません。まずは、効率うんぬんとは切り離して、これらのことをきちんと話し合いましょう。

 徹夜をした際の残業のカウントについて、もう少し具体的に説明しましょう。例えば9時に始業して8時間勤務(昼休憩1時間)する会社で徹夜したケースを考えてみます。

(当日の勤務スタート)

・9時から18時までは100%の通常賃金

・18時から22時までは125%の賃金(残業割り増しの25%含む)

・22時から翌朝5時までは150%の賃金(残業割り増し25%と深夜帯割り増し25%含む)

・翌朝5時から9時までは125%の賃金(残業割り増し25%含む)

(翌日の勤務スタート)

・翌朝9時からは新たな勤務として100%の通常賃金

 このように、会社は残業代を支給しなければなりません。もちろん、健康面から徹夜作業は無いほうがよいのは当たり前です。しかし、どうしても徹夜で作業しなければならないケースもあるでしょう。深夜残業が発生した場合は、会社が適切に残業代を支払うことが重要です。

杉本 一裕(すぎもと かずひろ)
人事コンサルタント
杉本 一裕(すぎもと かずひろ) 大阪府立大学大学院/経営学修士(MBA)修了。IT企業在職中は人事領域のコンサルティングを多数実施する。その後、社労士と行政書士事務所を開業。IT・医療・学校・製造業や流通業など幅広い業種の顧問先業務に従事する。