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納期遅れや予算オーバーなどシステム開発プロジェクトを巡るトラブルが、なかなか減らない。どうすれば立て直せるのか、その最新テクニックとは。

 システム開発プロジェクトにはトラブルを引き起こす様々な火種が潜む。プロジェクトの進捗などからリスクを嗅ぎ取り、先手を打てれば、トラブルは未然に防げる。プロジェクトの炎上を避ける技を探ろう。

リリース時に主要人物が異動
前任者との合意事項をリスト化

 日立ソリューションズの柳雅紀営業統括本部ITモダナイゼーションセンタITモダナイズ推進部スマートライフソリューション事業部サービスインキュベーション部部長の役割は、総合テストやユーザー受け入れテストといった工程からプロジェクトに入り、トラブルを未然に防止することにある。

日立ソリューションズの柳雅紀部長
日立ソリューションズの柳雅紀部長
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 ある通信業の基幹システムのモダナイズ案件では、リリースの2カ月前にプロジェクトに参画、リリース後も2カ月間は現場にとどまり安定稼働を支援した。業務支援や人事給与システムなどの刷新を含む、2年半に及ぶ大きなプロジェクトだ。

 柳部長がプロジェクトに参画してすぐ耳にしたのが、ユーザー企業のIT部門長が異動するとのうわさ。確認したところ、異動はほぼ確実とのことだった。

 「新システムのリリースと重なるタイミングでの主要メンバーの異動は、プロジェクトに与える影響が大きい」。リスクを感じた柳部長が打った一手が、「合意事項リスト」と「背景サマリー」の作成である。

合意事項をドキュメント化し、後任者への説明に活用
合意事項をドキュメント化し、後任者への説明に活用
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 もちろん異動に伴い、後任者に引き継ぎは行われる。しかし、「前任者との合意事項の全てが開発関連ドキュメントに明記してあるわけではない」(柳部長)。改めてリスト化して新システムのリリースに備えようと考えたわけだ。

 合意事項をまとめたリストは、A3のExcel表、10枚以上に及んだ。合意事項リストだけで分からない箇所は、決定までの経緯を背景サマリーにまとめた。例えば、業務によって新旧のシステムで機能変更の有無に差があるが、なぜそうなったのかや、承認プロセスなどについてどのような経緯で決定したのかなどを明記した。

 2カ月後の人事異動のインパクトは、柳部長の想像を超えていた。IT部門長だけでなく、企画担当の業務チームのリーダー、IT部門のリーダーにも異動が出たのだ。

 システムをリリースした後、後任者から「どうして、こういう仕様になっているのか」といった質問が出始める。そのたびに柳部長は、パッケージの制約など技術的な背景やシステムの成り立ちなどを、合意事項と背景サマリーを使って説明。システムへの理解を深めてもらうとともに、後任者と良好な関係を築くことに成功し、無用なトラブルを避けた。

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