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 ドイツ・ダイムラー(Daimler)の小型商用車部門であるメルセデスベンツ・バンズ(Mercedes-Benz Vans)は2018年7月2日、大型バン「Sprinter」を電気自動車にした「eSprinter」を2019年に発売すると発表した。Mercedes-Benz Vansは2017年に、今後すべてのラインアップを電動化する戦略「eDrive@VANs」を発表しており、まず小型EVバンの「eVito」を2018年9月の「フランクフルトショー(IAA)商用車」の直後に発売し、翌年にeSprinterを投入する。

ダイムラーが電動化を進める小型商用車
ダイムラーが電動化を進める小型商用車
左からEVのeVitoとeSprinter、右は燃料電池車のSprinter F-CELL。(写真はMercedes-Benz Vans)
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 大型バンセグメントのeSprinterは、ハイルーフのパネルバンで最大貨物容量は10.5m3となる。電池容量が55kWhの場合、航続距離は約150km、最大積載荷重は900kgとなる。電池にはオプションを用意し、顧客が優先したい条件で設定できる。例えば、41kWhの電池3個を搭載した場合、最大積載荷重を1040kgまで増やせるが、その代わり航続距離が115kmとなる。既存エンジン車のエントリーレベルと同様に、eSprinterの最高出力は84kW、最大トルクが300N・mとなる。また、最高速度は使用目的に合わせて80km/hか120km/hに設定可能。

大型バンのeSprinter
大型バンのeSprinter
用途に合わせてバッテリー搭載量を変えられる。(写真はMercedes-Benz Vans)
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 eDrive@VANs戦略の狙いは車両の電動化だけでなく、顧客のニーズに合わせた総合システムソリューションを提供することだという。顧客視点で車両の選択から充電インフラの設置、各車が稼働する地域の配電網のアップグレードなど、様々な側面をサポートする。

 総合システムソリューション開発の試験プロジェクトとしてドイツの物流会社、エルメス(Hermes)およびアマゾンロジスティックス(Amazon Logistics)と協力する。Hermesは、Mercedes-Benz VansのEVバン1500台を試験稼働しており、効率的な充電インフラの配置や貨物管理のソフトウエアなどを試験している。

 Amazon Logisticsは2018年末までに100台のeVitoをボーフムとデュッセルドルフの各拠点に配備する。さらにAmazonとMercedes-Benz Vansは、ボーフム拠点の充電インフラや駐車場管理、車両状況の自動取得など運用面でも協力する。

 また、デジタルサービス「Mercedes PRO connect」を通じて、経済的で効率的な車両管理方法を提供する。これには車両の保守管理や運転スタイルの分析、オペレーターとドライバー間の通信の最適化、ドアや窓のロックなどをスマートフォンからチェックできる機能などが含まれる。さらに、貨物管理の新しいサービスの実験も開始した。各車の充電状況なども確認できるため、充電インフラを効率的に利用でき、不必要な充電インフラの拡充を避けられる。