PR

 三菱電機は、ドローンなどの自動制御の要となるセンサーフュージョン用アルゴリズムに独自の「センサー攻撃検知アルゴリズム」を実装し、センサーへの攻撃を高精度に検知する「センサーセキュリティー技術」を開発したことを発表した(ニュースリリース)。同技術は、センサーへの攻撃によって発生する計測データの矛盾から悪意のある攻撃を検知する。既存のセンサー信号処理回路にソフトウエアを追加するのみで安価な導入が可能とする。2020年度以降の事業化を目指す。

「センサーセキュリティー技術」のドローンへの適用例(出所:三菱電機)
「センサーセキュリティー技術」のドローンへの適用例(出所:三菱電機)
[画像のクリックで拡大表示]

 車載機器やドローン、生産設備など、センサーで計測したデータを基に自動制御を行う機器が普及する中、サイバー攻撃への対策が求められている。だが、センサーに対して異常信号を照射するといった悪意のある攻撃を受けた場合、これまでは有効な対策方法は確立されていなかった。攻撃対策としての効果が期待されている技術として、複数のセンサーを組み合わせて計測データを取得するセンサー・フュージョン・アルゴリズムがある。しかし、アルゴリズムの複雑さと評価環境を構築する難しさから、攻撃に強いか否か、どのような環境で攻撃されやすいのかなどが示されていなかったという。

 そこで、三菱電機はセンサー・フュージョン・アルゴリズム内部の計算処理に着目。ドローンの自動制御に用いられるジャイロセンサー、加速度センサー、コンパスに関する各センサー間の計測データの不整合(矛盾)を算出して悪意のある攻撃を検知する「センサー攻撃検知アルゴリズム」をセンサー・フュージョン・アルゴリズム内に実装した。センサー攻撃検知アルゴリズムは、センサー・フュージョン・アルゴリズムの計算過程を利用して検知するため、プログラムの計算量に悪影響を及ぼさずに処理できるとする。

 今回、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務によって、個々の狙ったセンサーに異常信号を当てる、または、狙った複数のセンサーに同時に異常信号を当てることが可能な評価環境を構築した。センサー間の計測データの矛盾は、熱や磁気など、さまざまな影響を受けることで自然現象でも発生するが、攻撃を受けたことによる矛盾とは明らかな差異があることを確認した。実際に、超音波を用いたドローンへの攻撃を試行したところ、攻撃を受けていない正常時と比べて不整合が42%以上となることを確認した。よって、ドローンに適用する場合は42%以上の不整合を「攻撃」として検知する。なお、どの程度の不整合を攻撃とするかは、利用するセンサーや環境によって異なるとしている。