住友金属鉱山は、使用済みのリチウムイオン2次電池(LIB)や、その製造過程で発生する中間物から、銅(Cu)やニッケル(Ni)に加えてコバルト(Co)まで回収・再資源化するプロセスを開発(ニュースリリース)。新プロセスを実証し、実機へスケールアップするための製錬工程のパイロットプラントを愛媛県新居浜市に建設し、2019年3月から稼働を開始した(図1)。

図1:乾式工程のパイロットプラント(出所:住友金属鉱山)
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図1:乾式工程のパイロットプラント(出所:住友金属鉱山)

 新プロセスでは、既存の工程から独立した乾式製錬工程によってLIB中の不純物を一括して分離し、NiとCo、Cuを合金として選択的に回収する(図2)。その後、湿式製錬で合金を溶解・精製し、NiとCoは電池材料として、Cuについては電気銅として再資源化する。

図2:新プロセスによるリサイクルフロー(出所:住友金属鉱山)
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図2:新プロセスによるリサイクルフロー(出所:住友金属鉱山)

 同社は2017年7月から、金属事業本部東予工場(愛媛県西条市)と同ニッケル工場(新居浜市)の製錬工程を活用し、LIB中のCuとNiの回収・再資源化に取り組んでいる(図3、関連記事)。その一方で、従来のプロセスではCoを回収できず、再資源化が課題になっていた。

図3:既存プロセスによるリサイクルフロー(出所:住友金属鉱山)
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図3:既存プロセスによるリサイクルフロー(出所:住友金属鉱山)

 自動車の電動化に伴い、電池材料に使うNiやCoの獲得競争が激化している。新プロセスにより、LIB中の有価金属の再資源化が事業上で可能になれば、国内での資源の循環が進み、世界的な資源枯渇に対応できる見込みだ。

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