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 米Qualcomm(クアルコム)は2019年5月8日、ミリ波を利用する5Gのインドア通信の可能性に関する調査結果を自身のブログに公表した(Qualcommのブログ)。5Gの超高速モバイルブロードバンドの威力を最大限に引き出すにはミリ波が必要不可欠とし、屋外から屋内に容易に伝搬しないその性質から、屋内の公共/プライベースネットワーク構築に適用すべきと提案。その上でこのブログでは、オフィスやイベント会場、駅や空港での活用例を、様々なシミュレーション結果を基に紹介している。

様々な場面でのミリ波5G NR活用例
様々な場面でのミリ波5G NR活用例
(出所:Qualcomm)
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 (1)オフィスでの活用

 現在、ほとんどの企業でオフィス内でのWi-Fi接続が可能となっているが、ミリ波5G NRを使ったプライベートネットワークを構築することで、より高速かつ安全で、高いユーザーエクスペリエンスを実現する、利便性に富んだ「モバイルオフィス」の提供が可能になる。

ミリ波5G NRはオフィスに新しいユーザーエクスペリエンスを導入する
ミリ波5G NRはオフィスに新しいユーザーエクスペリエンスを導入する
(出所:Qualcomm)
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 実際に、サンディエゴにあるQualcomm本社の既存の各Wi-Fiアクセスポイントに28 GHz帯を使った5G NRのスモールセルを配備したところ、下りリンク時98%、上りリンク時99%のカバレッジと、スループット平均5Gビット/秒を確認できた。下記の図の赤い部分が通信できなかった場所だが、必要に応じて追加のスモールセルなどを配置することで、これらの場所にも接続可能となる。

Qualcommサンディエゴ本社の5G NRとWi-Fi共存サイト
Qualcommサンディエゴ本社の5G NRとWi-Fi共存サイト
(出所:Qualcomm)
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 なお、5G NR用の基地局をWi-Fiアクセスポイントと同じ場所に置くことで、既存の電源や有線バックホール設備を流用でき、効率的に基地局を開設できる。

 (2)イベント会場での活用

 会議場やコンサートホール、競技場といったイベント会場では、人々が一斉に無線ネットワークへのアクセスを行うことが多く、接続障害が発生しやすい。こうした環境に向けた大容量通信が可能な無線ネットワークの整備が課題となる。ミリ波5G NRでは、数100MHz幅の帯域を使うことで、こうした需要に対応することができる。

ミリ波5G NR でイベント会場のエクスペリエンスも改善する
ミリ波5G NR でイベント会場のエクスペリエンスも改善する
(出所:Qualcomm)
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 ラスベガスのコンベンションセンターで、既存の3G/4G向けDAS(distributed antenna systems、基地局の電波を複数のアンテナに分配して利用する屋内用分散アンテナシステム)に28 GHz帯の5G NRスモールセルを共存させて行ったシミュレーションでは、カバレッジ率95%、下りリンク時最高速度5Gビット/秒を確認できている。

ラスベガスのコンベンションセンターにおけるシミュレーション結果
ラスベガスのコンベンションセンターにおけるシミュレーション結果
(出所:Qualcomm)
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 (3)空港、駅などでの活用

 同様の実験を、敷地面積160000平方フィートの空港コンコースで実施したところ、ミリ波5G NRスモールセルを10か所に設置することで、100%のカバレッジと平均スループット4.2Gビット/秒を確認できている。

空港コンコースでのシミュレーション結果
空港コンコースでのシミュレーション結果
(出所:Qualcomm)
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