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 中国・長城汽車(Great Wall Motor Company)のHavalブランドは2019年6月3日、ロシアのモスクワ近郊、トゥーラ州に年産15万台の自動車量産工場を完成させたと発表した。これまでのノックダウン工場とは異なり、車体生産、溶接、塗装、組立の4工場を持つ完全量産工場であり、中国自動車メーカーとして初めての国外完全量産工場になるとしている。6月初旬に稼働を開始し、近くロシアで発売するSUV「Haval F7」を生産する。

SUV「Haval F7」
SUV「Haval F7」
(写真:Great Wall Motor Company)
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 総投資額が5億ドルを超えるトゥーラ工場は、同社として最大の海外投資プロジェクトとなった。工場には、効率性と安全性、環境性を高めるため最先端設備を投入したという。車体プレス工程では全自動量産ラインや自動高速金型交換システム、部品輸送用のスイスABB製7軸ロボットなどを導入した。溶接ラインの自動化率は100%、サブ溶接ラインでは40%となる。同時に3モデルを生産できるように、マルチモデル自動切り替え生産ラインを採用した。

 また、持続可能性を高めるため環境保護にも力を入れている。塗装工場では、水性塗料スプレー技術とVOC(揮発性有機化合物)を削減するための排ガス焼却技術を採用した。また、排水を浄化するための高度な下水処理装置も導入した。

最新の塗装工程を導入
最新の塗装工程を導入
(写真:Great Wall Motor Company)
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 2019年は中国とロシアの外交関係樹立70周年に当たる。同工場は、中国の「一帯一路」政策の下、両国間の経済、貿易面の緊密な協力を示すものという。また、中国国内市場の成長が鈍化し始めたため、中国自動車メーカーにとってグローバル化が避けられない状況となっており、世界市場への進出に活路を見出そうとしていることを示すものでもある。

 トゥーラ工場の年間生産能力は15万台。65%の現地調達率を目指しており、800人の従業員のうち9割を現地で採用する。同工場は地域の重要な産業プロジェクトとなり、30億元(約470億円、1元=15.6円換算)の経済効果があると見込む。同工場で生産した車両はベラルーシ、カザフスタン、モルドバなどの近隣諸国や、中央アジアおよび東欧市場にも輸出する。

トゥーラ工場全景
トゥーラ工場全景
(写真:Great Wall Motor Company)