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 米フォード(Ford Motor)は2019年6月6日、英国の南ウェールズにあるブリッジェンド・エンジン工場の閉鎖の可能性に関して組合と協議を開始したと発表した。今回の閉鎖提案は、同社の世界的な事業再編のステップであり、欧州での拠点を絞り事業を効率化する戦略の一部になるとしている。

(写真:Ford Motor)
(写真:Ford Motor)
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 ブリッジェンド工場の閉鎖提案の背後にある要因は、工場が十分に活用できていないことだという。英ジャガーランドローバー(Jaguar Land Rover)向けのエンジンの生産終了が近くなり、旧世代の1.5Lエンジン「GTDi」も生産終了した。一方で、新世代GTDiエンジンと1.5Lエンジン「Pfi」のグローバルな需要はまだ少ない。また、同じエンジンを生産する他の生産拠点と比べてブリッジェンド工場はコストが高いという。

 提案では、2020年2月に新世代GTDiエンジンの生産を停止し、同年9月にJaguar Land Rover向けエンジンの製造を終了したあと、閉鎖する計画だ。現在雇用している1700人の従業員には、手厚い離職プログラムを含む包括的な計画を提供するとしている。そのうち400人は2019年初めに自発的な退職プログラムに応じており、2019年5月から年内に退職する予定。それ以外は、可能な限り英国内の他のFord工場への再就職支援のほか、新規事業発掘や他の企業への再就職支援を計画している。

 Fordは欧州での事業を、持続可能で収益性のあるものにするため、様々な変革に取り組んでいる。短期的な取り組みでコストの削減を目指して収益を改善させつつ、長期的には乗用車、商用車、輸入車の3分野で、ターゲットを絞った製品ラインアップにする。欧州では16車種の電動車を投入する予定で、2019年中に8車種の投入を予定している。商用車はドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen)との提携関係を活用して成長を支えるとしている。

 ドイツでは、自発的な退職プログラムによって5000人以上の雇用を削減する。また、欧州での生産規模を最適化するため、売り上げの悪いモデルの生産を縮小する。具体的には2019年7月にドイツのザールルイ工場で「C-MAX」と「Grand C-MAX」の生産を終了する。これに伴い、ザールルイ工場とスペインのバレンシア工場でのシフトを削減する。ロシアでの合弁事業であるFord Sollersは再編し、商用車事業に注力する。そのため2019年6月ですべての乗用車生産を中止し、エンジン工場と二つの車両組み立て工場を閉鎖する。フランスのボルドーにあるAquitaine Industries変速機工場の生産も2019年8月で終了する。