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 日産自動車は2019年7月3日、自動運転をはじめとする自動車向けの電子制御ソフトを開発するエンジニア向けの研修施設「ソフトウェア・トレーニング・センター」を初公開した。

 2017年11月に開所してからこれまでに、日産や関連会社などのエンジニア約150人が学んだ。今後も年間100人を教育していき2022年度までに累計500人のソフトウエアエンジニアの教育を目指す。

 日産自動車の豊増俊一フェローはセンターを開所した狙いについて、「自動車に搭載するソフトウエアの規模は年々拡大してきており、今では4000万ステップに上っている。そうした中でも品質や開発スピードを高めながら安全な制御ができるソフトを開発したり量産したりすることが必要になっている。世界標準の技術を身に付けた世界一流のソフトウエアエンジニアになるよう教育している」と説明する。

日産自動車の豊増俊一フェロー
日産自動車の豊増俊一フェロー
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 研修プログラムは約3カ月半にわたり組まれている。「ソフトウェアの基礎」を学んだ後、自動車向けソフト開発で主流になっている「モデルベース開発」、自動車の様々な装置などを制御するECU(電子制御ユニット)にソフトを組み込んでいく「量産ソフトウェア開発」を続けて学んでいく。

 この施設では自動車工学に詳しいエンジニアだけでなく、IT業界から転職してきたエンジニアも学んでいる。「MATLAB」「Simulink」といったモデルベース開発に使うツールや開発標準、開発の考え方などを学んで、日産における自動運転を含めたソフト開発に精通してもらう。

 この日はセンターの講義や、車両の模型を使って緊急停止などの制御ソフトを開発して完成させる実習の様子も公開した。

講義の様子
講義の様子
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 講義では自動車向け組み込みソフトの開発に精通しているインドのタタ・コンサルタンシー・サービシズ(Tata Consultancy Services)の担当者らが講師やサポートを受け持った。30人程度のエンジニアが受講している。

実習のデモンストレーションの様子
実習のデモンストレーションの様子
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 一方の実習では模型車両を使って緊急停止や車両回避などができるソフトを、開発対象のソフトや模型のセンサーなどの仕様を基に約10日間で開発し完成させ、「納品」する。

 実習をしているあるエンジニアは「普段はソフト開発の一部を担当しているが、ここでは一連の開発を経験できる。他のエンジニアとの連携に役立っている」と話した。豊増フェローは「デジタルで開発できる領域をできるだけ増やして、実車を使った開発を極力減らしていく。そうしていくことでできるだけ早く最新の自動車をお客様に提供できるようにしていきたい」と見通しを語る。