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従来手法よりも高精度に影を検出

 具体的には、(1)元画像と専門医の知見に基づいてランダムに作成した「人工影」を合成したものを入力画像とする、(2)その入力画像を、影のみを含んだ画像(影のみ画像)とそれ以外の構造物のみを含んだ画像(構造物のみ画像)に分離した後、それらを合成することで入力画像を再構成するオートエンコーダを構成する(再構成画像)、(3)人工影を合成した入力画像と再構成画像との誤差と、人工影と分離した影のみ画像との人工影が存在する領域での誤差が、同時に小さくなるように学習させる、という手順で学習を実施する。

 学習後に影を検出する際には、入力画像を超音波検査画像とし、影のみ画像を検出結果とする。影のみ画像の画素値の合計の比較などにより、影あり、影なしを自動的に判定できる。

 昭和大学病院産婦人科での通常の妊婦健診で取得した胎児心臓の超音波検査動画に適用して評価した結果、従来手法よりも高精度に影を検出できることが確認できた。これにより、検出した影が胎児心臓の異常検知に悪影響を及ぼす可能性を見いだすことで、検査者に対して「再走査の指示」を出し、誤った異常検知を防止できるようになる。

超音波検査画像の処理可否を判定する方法の例(出所:理化学研究所などの共同研究グループ)
超音波検査画像の処理可否を判定する方法の例(出所:理化学研究所などの共同研究グループ)
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 今後は、この新技術を2018年度に開発した胎児心臓超音波スクリーニングの基盤技術と統合することで、異常検知性能を向上させるとともに、条件を満たさない入力を判定して再走査を指示する仕組みの構築を目指す。さらに、従来手法と比較して実装する労力やコストを大幅に削減できる長所があることから、超音波検査が用いられている幅広い領域での横断的な活用も期待される。

 共同研究グループのメンバーは、理化学研究所(理研)革新知能統合研究センター(AIP)がん探索医療研究チームの小松正明研究員、理研AIP-富士通連携センターの原裕貴副連携センター長、昭和大学医学部産婦人科学講座の松岡隆准教授、国立がん研究センター研究所がん分子修飾制御学分野の浜本隆二分野長などである。