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 アスクルは2019年7月31日、8月1日に予定していた臨時取締役会を中止したと発表した。取締役会では、ヤフーが持つアスクル株式をアスクルへ売り渡すよう、ヤフーに請求するか否かを審議する予定だった。アスクルでは、ヤフーが7月30日にアスクルへ送付した「回答書」と7月31日付で開示したプレスリリースの内容を踏まえた判断と説明している。

 アスクルは8月2日に定時株主総会を開催する予定。同総会で審議予定となっている代表取締役の岩田彰一郎社長、独立社外取締役の戸田一雄氏、宮田秀明氏、斉藤惇氏の取締役選任議案について、筆頭株主のヤフーと第2位株主のプラスが再任反対の議決権を行使したことから、岩田社長ら4氏は取締役に選任されない公算が大きい。

 これに加えてアスクルは、同総会でヤフーが修正動議を提出して新たな取締役候補をその場で議決することを警戒していた。これに対しアスクルは、ヤフーが7月30日にアスクルへ送付した「回答書」において、修正動議を提出する意向がないと表明したと説明している。「少数株主が事前に知ることのできない取締役候補案が当日突然提出されてそのままヤフーの意向のみで選任される恐れが低い」(アスクル)状態になったとしている。

 加えてヤフーは、7月31日付のプレスリリースで「もしアスクルの企業価値をヤフーより向上できる株式の譲受希望者がいる旨のアスクルの取締役会からの打診があれば、当該第三者の話を伺うことを拒否するものではない」と表明。これについてアスクルは「今後両者協議によって、資本関係解消の道を否定しない意思表示があったと当社は認識している」とした。

 ただ、8月1日の取締役会が中止されても、アスクルの個人向けECサイト「LOHACO」事業を巡る2社の綱引きや、アスクルの新たな取締役選任の行方、アスクルの支配株主であるヤフーと独立取締役によるガバナンスのあり方など根本的な課題は残ったままの状態で8月2日の臨時株主総会を迎えることになる。