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 だが、電機業界として注目すべき最大の特徴は、世界初となる、極端紫外線リソグラフィー(EUV)による7nm世代プロセスで製造した同社のアプリケーションプロセッサー「Exynos 9825」を搭載したことだろう(販売地域によっては米クアルコムの「Snapdragon 855 SM8150」を搭載している)。Exynos 9825は新しいプロセスを採用したことで、2018年11月に公開した従来品「Exynos 9820」に比べてパフォーマンスが20~30%、電力効率が30~50%向上したという。Exynos 9820に続き、AIとAR処理のためNPU(Neural Processing Unit)を内蔵した。8K、30f/秒の解像度に向けた動画エンコーディングとデコーディングに対応、10-bit HEVC(H.265)にも対応した。

 2019年7月に日本がEUV用レジストの輸出管理を強化したため、Exynos 9825の量産計画に支障が出るのではないかとの噂もあったが、問題ないようだ。EUVは次世代半導体の核心技術であり、サムスン電子は2019年9月までに華城(ファソン)キャンパスにEUV専用ラインを完成させ、2020年1月に量産を開始するとの計画を発表済みである。同社は2030年までに133兆ウォン(約1兆1400億円)を投資し、非メモリー半導体でのシェア世界1位獲得を目指しているが、そのためにもEUV工程は欠かせないという。

 Galaxy Noteシリーズ自体も日本と関わりのある製品と言えよう。売りであるSペンは日本企業であるワコムの技術に支えられているからだ。サムスン電子は、2013年にシンガポール・サムスンアジア(Samsung Asia)名義で53億円を投資しワコムの株式5%を取得している。Sペンは文字や絵を描くだけでなく、リモコン代わりにしてカメラやスマホを操作するためにも使える。ディスプレーの電源をオフにしたままSペンでスマホにメモを書いて保存できるという機能も、とても便利である。