米インテル(Intel)は、同社の10nmプロセスで製造するFPGA「Agilex」のサンプル出荷を開始した(日本語ニュースリリース)。Agilexは今年(2019年)4月に発表された、10nm世代FPGAの新ブランドである(関連記事)。
従来同社が販売してきた「Stratix」や「Arria」などのブランドのFPGAは、旧・米Altera買収前に製品仕様が決まっていたものであり、その意味でAgilexはAltera買収後にIntelとして初めて企画した製品になる。Agilexは10nmプロセスで製造するFPGA本体(FPGAファブリック)のダイと、高速インターフェースのダイなど異なるプロセスで作るさまざまなダイをSiP(System in Package)の形で1パッケージにまとめる。
Intelは4月の発表時に「2019年第3四半期中にエンジニアリングサンプルの出荷を開始」と述べており、公約を守った形である。なお、量産は2020年第3四半期になることがアナウンスされている。今回は同社の早期アクセスプログラムの契約を結んだパートナーに対してのサンプル出荷で、その中には米Colorado Engineering、米Mantaro Networks、米Microsoft、及びイスラエルSilicomが含まれる。Colorado EngineeringやMantro NetworksはIntelのFPGA Design Solution NetworkのPlatinum Member。SilicomはIntelベースの製品でネットワークソリューションを提供するメーカーである。これらの企業は5Gあるいはデータ分析アプリケーションの開発にAgilexを利用する予定だという。
今回Intelは開発ツール(ソフトウエア)の「Intel Quartus Prime」がAgilexに対応することも明らかにした。これにより、Agilexの入手に先んじてアプリケーションの開発が可能としている。