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 米ON Semiconductor(オンセミ)社は、自動運転車のフロントセンシングやサラウンドセンシングに向けた830万画素の車載用CMOSイメージセンサー「AR0820」を開発し(関連記事)、2019年9月18〜20日に愛知県名古屋市で開催された「名古屋オートモーティブワールド2019」で展示した。日本国内でAR0820のデモを見せるのは今回が初めて。車載用CMOSイメージセンサー「Hayabusa」ファミリーに含まれる製品である。同社はすでに、260万画素品「AR0233」の量産を始めている(関連記事)。「今回展示した830万画素品の量産は、もうすぐ始める予定だ」(同社の説明員)という。

830万画素CMOSイメージセンサーのHDRモードのデモ。おもちゃの自動車のナンバープレートが鮮明に表示されている。ON Semiconductorの展示
830万画素CMOSイメージセンサーのHDRモードのデモ。おもちゃの自動車のナンバープレートが鮮明に表示されている。ON Semiconductorの展示
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 AR0820の特徴は、既存の260万画素品(AR0233)に引き続き、HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)と呼ぶ動作モードを搭載したことにある。このため140dBと極めて高いダイナミックレンジが得られる。今回の展示では、光が少ない場所でも、おもちゃの自動車のナンバープレートに書かれた数字を鮮明に読み取れることをデモしていた。HDRモードは、2×2画素を1つの画素として読み出すビニング処理を行うことで実現した。この2×2画素は、通常の動作モードでは1組のカラー画素(RGGB)を構成している。従って、HDRモードはモノクロ表示になる。

 このほか同社は、79GHz帯に対応したミリ波レーダー用トランシーバーIC 「NR4401」や、LiDAR(Light Detection and Ranging)向けSPAD(Single Photon Avalanche Diode)アレー「Pandion」を展示した(関連記事)。ミリ波レーダー用トランシーバーICは、トランスミッターを4チャネル、レシーバーを4チャネル搭載する。さらに同社独自の「MIMO+技術」を搭載しているため、1つのレシーバーに2つのアンテナを接続できる。このため4×8のMIMOシステムを構築できる。SiGe(シリコンゲルマニウム)技術で製造した。2020年中の量産開始を予定している。

ミリ波レーダー用トランシーバーICを使ったデモ。ミリ波の照射範囲に物体があると、黄色で表示される。ON Semiconductorの展示
ミリ波レーダー用トランシーバーICを使ったデモ。ミリ波の照射範囲に物体があると、黄色で表示される。ON Semiconductorの展示
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 SPADアレーは、SPADを横方向に400個、縦方向に100個集積したものだ。つまり4万画素品である。ポリゴンミラーやMEMS素子などの可動部品を使わずに、面情報を検出できることが特徴だ。発光波長が905nmの赤外光の検出を想定する。自動車のほか、産業機器やロボット、エンターテインメント機器などに向ける。車載向けSPADアレーは2020年の量産開始を目指して開発を進めているという。