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 安川電機は、上肢の運動機能に障害を持つ人のリハビリテーションを支援する装置として、前腕の回内回外運動のリハビリに特化した「CoCoroe PR2」(ココロエ ピーアールツー)を発売した(図1、ニュースリリース)。回転機構を利用した反復訓練に電気・振動刺激を併用することで、訓練時間を確保するのが難しいとされる前腕を効率的にリハビリできる。

図1:「CoCoroe PR2」を利用したリハビリのイメージ(出所:安川電機)
図1:「CoCoroe PR2」を利用したリハビリのイメージ(出所:安川電機)
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 新製品は、サーボ制御で稼働する回転機構が回内回外運動の反復訓練を提供する(図2)。適切な回転速度とトルクにより、患者の人体反応を促して訓練を進める。運動に同期させて主動作筋に電気・振動刺激を与えれば、目的とした運動をしやすくなる。

図2:回転機構と各種刺激を併用したリハビリのイメージ(出所:安川電機)
図2:回転機構と各種刺激を併用したリハビリのイメージ(出所:安川電機)
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 訓練部位を見て、動かす方向を音で確認することで視覚・聴覚による刺激も加わり、リハビリの効率がさらに高まるという。効率的なリハビリは、患者のADL(Activities of Daily Living:日常生活を送るのに最低限必要な動作)の向上につながる上、リハビリを担当する療法士の負担軽減も図れる。

 訓練メニューとして[1]回内訓練モード、[2]回外訓練モード、[3]回内外訓練モードを搭載する(図3)。患者に合わせて可動域(訓練角度)を設定でき、適切な反復訓練を実現するという。前腕の回内運動は手を内側に回して手の平を下に向ける運動で、回外運動は手を外側に回して手のひらを上に向ける運動。[1]は物をつかんだり髪をといたり、右手でねじを緩める動作に、[2]は食べ物を口に運ぶ、顔を洗う、右手でねじを締めるといった動作に、[3]はうちわであおぐ、ドアノブを回すなどの動作に含まれる。

図3:回内訓練モードによるリハビリの例(出所:安川電機)
図3:回内訓練モードによるリハビリの例(出所:安川電機)
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 新製品は、前腕回転機構に加えて表示器や電気・振動刺激装置、高さ調節機構も備える。表示器にタッチパネルを採用するとともに、アイコンのタップによって設定できるようにしたため、直感的な操作が可能だ。

 同社は2015年に前腕回内回外訓練装置を、2018年に前腕回内回外リハビリ装置の臨床研究機を開発し、今回、鹿児島大学との共同研究によって同PR2を製品化した(2015年8月27日付ニュースリリース2018年10月31日付ニュースリリース)。同PR2は、日本国内において管理医療機器(クラスII)/特定保守管理医療機器として医療機器認証(医療機器認証番号:301ALBZX00003000)を取得している。

 同社は長期経営計画に、コア事業であるメカトロニクスの応用領域の拡大をかかげる。その領域の1つであるヒューマトロニクス事業の確立に向けて医療・福祉機器の開発や実証を進めており、これらの機器を「CoCoroe」ブランドで展開する。2017年9月には、上肢(肩、ひじ)リハビリ装置「同AR2」を発売(2017年9月25日付ニュースリリース)。足首アシスト装置「同AAD」や移乗アシスト装置「同TAR」、脊椎損傷による両下肢麻痺者に立位・歩行・着座などの動作を提供する装置「ReWalk」も開発している。