オランダNXP(NXP Semiconductors)は、5Gのアクセスエッジに向けたベースバンド処理プロセッサーICを3製品発表した(ニュースリリース)。3製品は同社の通信用プロセッサーIC「Layerscape」の新製品で、アクセスエッジ向けであることから「Layerscape Access」と呼ぶシリーズ名が付けられている。
今回発表のLayerscape Accessの3製品は、LA1200ファミリー、LA9350ファミリー、LA9310ファミリーである。Layerscape Access製品は、マルチベンダー機器接続を可能にするO-RAN仕様に準拠した、集約ノード(CU:Central Unit)/分散ノード(DU:Distributed Unit)、無線ユニット、統合型スモールセル、カスタマー構内機器(CPE:Customer Premises Equipment)に適しているという。また、プログラマブルなベクトル処理ユニットを備えていることなどが特徴だとする。
LA1200ファミリーは、3製品の中では最も高性能で、集積するベクトル処理ユニットの性能は1TFLOPSを超えるという。サブ6(6GHz未満の周波数帯)およびミリ波を使う5G-NR機器への搭載を想定している。それぞれの周波数帯に向けたA-D/D-A変換器を集積する。また、50Gビット/秒のPCI Expressコントローラーや8GHzのSERDES、前方誤り訂正機能などを備えている。無線ユニットや統合型スモールセル、CPEに向くとする。
LA9350ファミリーは、コスト効率の高い製品だという。集積するベクトル処理ユニットの性能は500GFLOPSを超えるとする。サブ6を使う5G-NR機器向けのA-D/D-A変換器を集積している。5Gの無線ユニットに加えて、エンタープライズや産業用のアプリケーションに向くとする。
LA9310ファミリーは、電力効率が高い製品だという。5Gのタイミング検出に加えて、航空宇宙や防衛アプリケーションに向くとする。
Layerscape Accessの製品は2020年第1四半期から、登録ずみの早期アクセス顧客向けにサンプル出荷を行う予定である。現在、PoC(Proof of Concept)向けの開発プラットフォームを提供しているという。新製品のパッケージや価格などの詳細は未公表。