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 NITEは名古屋市環境局や名古屋市消防研究所の協力を得て、前述のかき込み工程において反転板がモバイルバッテリーを圧縮する状況を実験で再現(図4)。その結果、発火するケースと、破裂して内部のセルが飛散するケースが確認できたという。カセットボンベやスプレー缶でブタンなどの液化石油ガス(LPG)が使い切れずに残っている場合についても、残量を60%(150g)とした条件で圧縮再現試験を実施し、缶体の破裂や、あらかじめ用意した圧電端子で発生させたスパークでの引火を確認している(図5)。

図4:モバイルバッテリーを使用したゴミ収集車の圧縮再現試験
図4:モバイルバッテリーを使用したゴミ収集車の圧縮再現試験
(出所:NITE)
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図5:カセットボンベのごみ収集車での圧縮再現試験
図5:カセットボンベのごみ収集車での圧縮再現試験
(出所:NITE)
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 こうした火災発生の仕組みを明らかにした上でNITEは、LIB搭載製品やカセットボンベ、スプレー缶を可燃ごみとして捨てることは「絶対にやめてください」と、消費者に強く呼びかける。具体的な行動としては、LIBを搭載しているとみられる製品を捨てる際は、その製品がLIBを使用しているか否か、どのように廃棄するのかを取り扱い説明書などで確認した上で、自治体の指示に従った廃棄を求める。説明書に記載がない場合は販売店やメーカーへの確認を勧める。

 併せて、LIBを含む小型2次電池のリサイクルを推進する団体「JBRC」の活動として、家電量販店やホームセンターなどの協力店舗での回収、協力自治体での回収を紹介。東京都狛江市や名古屋市、前橋市の対応例も挙げる。

 なお、NITEが収集したデータでは、2014~2018年度に発生した製品事故情報のうち、LIB搭載製品でLIBからの発火・発煙にかかわる事故は724件(図6)。LIBは、モバイルバッテリーやノートパソコン、スマートフォンをはじめ、電動工具や加熱式たばこなどにも用途が拡大し、それに伴って事故件数も増えている。ラミネート形や円筒形など形状も多様なため「充電して使用する製品は、外観上プラスチック製品に見えてもLIBなどの2次電池が使用されています」と、注意を促している。

図6:LIB搭載製品の年度別事故発生件数
図6:LIB搭載製品の年度別事故発生件数
(出所:NITE)
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