英アーム(Arm)は、学習済みニューラルネットワークの推論処理プロセッサー(NPU:Neural network Processing Unit)コア「Ethosファミリー」を発表した(日本語ニュースリリース)。同社は人工知能(AI)を全ての機器が備えるべき機能と位置づけており(そのキャッチコピーはAI Everywhere)、Ethosはそれを実現する製品の1つとなる。
Ethosは、現在、3製品から成る。「Arm Ethos-N77」と「Arm Ethos-N57」、「Arm Ethos-N37」である。このうち、最上位製品のEthos-N77は従来「Arm ML Processor」と呼んでいたもの(関連記事1(3ページめ)、関連記事2)。Ethos-N77はさまざまな構成を採ることが可能で、例えば、内部のCE(Compute Engine)は最大12個にすることが可能。内部のSRAMは最大で4Mバイトを備えることができる。Ethos-N77の1コア当たりの性能は最大4TOPS。1クラスターに8個、メッシュ接続では最大64個のEthos-N77をつなげる。Ethos-N77はプレミアムスマートフォンなどハイエンドの機器を狙う。
残りの2つは今回、初めて発表された製品である。Ethos-N57は性能と消費電力のバランスが取れたNPUコアで、メインストリームのスマートフォンなどに向ける。処理性能は最大2TOPS。Ethos-N37は1mm2の面積で実現でき、「最小面積のNPU」だという。エントリーレベルのスマホなどに向けたもので、処理性能は最大1TOPSである。