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 KDDI(au)は2019年11月1日、2019年4~9月期の連結決算(国際会計基準)を発表した。売上高は前年同期比4.2%増の2兆5644億円、営業利益は同1.4%減の5534億円で、増収減益だった。高橋誠社長は、通期業績予想に対する進捗率が売上高で49.3%、営業利益で54.3%である点や、7~9月に限れば営業増益になっている点を挙げ「通期に向けて順調な進捗だ」と説明した。

2019年4~9月期決算を発表するKDDIの高橋誠社長
2019年4~9月期決算を発表するKDDIの高橋誠社長
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 事業セグメント別では、「ビジネス」(法人向け)セグメントは売上高が同4.3%増の4509億円、営業利益が同29.5%増の826億円で増収増益だった。「既存の携帯電話や固定通信に加えIoT(インターネット・オブ・シングズ)の売り上げが伸長した」(高橋社長)。

 一方、主力の「パーソナル」(個人向け)セグメントは、売上高こそ同4.9%増の2兆2388億円と伸びたものの、営業利益は同5.2%減の4684億円と振るわなかった。同セグメントのうち、成長分野と位置付けるEC(電子商取引)や金融などの「ライフデザイン領域」は2桁の伸びを示した。ただ、楽天モバイルが自営回線で携帯電話事業に参入するのに備え、第3世代移動通信システム(3G)の契約者向けに4Gへの契約変更を促すなどしたため、端末の販売コストが前年同期より399億円増えた。

 下期の見通しについて高橋社長は「読み切れないところがある」とした。消費増税や電気通信事業法の改正を控えた2019年9月に駆け込み需要が多かった反動で、2019年10月は流動性が落ちているという。また10月以降、2年契約の中途解約料を1000円に引き下げたことを受け、MVNO(仮想移動体通信事業者)への流出が増えているとした。年末から2020年春にかけての商戦期に向けては「学割商戦も年々前倒しになってきているし、我々が取り得る施策の幅は間違いなく狭まってくる」と警戒感を示した。

 高橋社長は通期の業績見通しについて、「計画通りの着地をしたい」と据え置いた。「今年度は端末割引の上限2万円規制、解除料の上限1000円規制など、マスタープラン(事業計画)で想定していない変化が起こりすぎている。楽天の本格参入が遅れたから業績が良くなったということはなく、(業績予想で)約束した通期の増収増益を守るためにどう対応するのかというマネジメントで精一杯だ」と続け、楽観はできないとの認識を示した。

 2019年9月から10月に相次いだ自然災害への対応については、「災害が起こるたびに全社で体制を見直して改善してきた。今回も1万人を動員して電源車や衛星回線の確保、復旧作業などに当たり、大手通信3社の中で最も早く復旧した」と語った。一方で「台風19号では(強風による被害に加え)水害もあり、また長野県内での被害は想定できておらず、1日くらい配置が遅れた」という。高橋社長は「配置を改善していきたい。こうした災害が毎年起こるようになっており、バッテリーや電源車などにさらに投資していきたい」と語り、災害対策の体制を強化する方針を示した。