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 伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は、機械設備や人、作業工程などの物理的な環境(フィジカル空間)をコンピューター上(サイバー空間)で再現し、生産の最適化を図る製造業向けデジタルツインソリューションの提供を開始した(図、ニュースリリース)。予測のための人工知能(AI)と最適化・制御のためのシミュレーション機能を備えており、両者の連携によって生産計画の策定を効率化できるという。

図:デジタルツインソリューションのイメージ(出所:伊藤忠テクノソリューションズ)
図:デジタルツインソリューションのイメージ(出所:伊藤忠テクノソリューションズ)
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 具体的には、設備の異常をAIで予測し、その予測に基づいてシミュレーションを実行して最適な生産計画を算出する、シミュレーションのパラメーターをAIで調整して計画策定の効率を高めるといった利用が可能だ。さらに、5Gによってデータ通信の超高速化・多接続化・低遅延化が進むのに伴い、フィジカル空間とサイバー空間のリアルタイムな対応範囲を拡大できるので、都市や広範囲の交通網、エネルギーなどの分野でも、フィジカル空間だけでは見つけられなかった課題を特定しやすくなる。

 データ収集とAIの実行環境としては、IoT(Internet of Things)で使用されるさまざまなデータのリアルタイム処理を実現するツール「SAS Event Stream Processing」(米SAS Institute)を用いる。大量データのフィルタリングや正規化、分類、集約、標準化、クレンジングなどを高速に実行できるので、エッジ上でAIを用いた高度な分析が可能だとする。

 シミュレーションソフトには、生産・物流シミュレーター「WITNESS」(英Lanner Group、関連記事)を採用した。同シミュレーターは、生産ラインや物流、交通、事務などのプロセスを簡単にモデル化し、アニメーションによって可視化したり多角的なレポートを作成したりすることで、計画の定量評価を支援する。最新版の「同22 Horizon」には、無人搬送車・ロボットの給電システムをモデル化する機能をはじめとして、デジタルツインや工場のIoT化のための機能が盛り込まれているという。

 新ソリューションの開発と併せてCTCは、データ収集のためのIoTソフト「WORKFRONT/IoT」〔日立ケーイーシステムズ(本社千葉県習志野市)〕やセンシング&エッジコンピューティング端末「SENSPIDER」〔マクニカ(本社横浜市)〕を活用したデモシステムも構築した。CTCは今後、新ソリューションの提供で得たノウハウを元に、AIとシミュレーションの連携によるモデルの精度を高めていく計画だ。