CS(顧客満足度)に関する調査会社であるJ.D.パワー ジャパンは2019年11月29日、車載機能の装備率や装備意向について調べた「2019年日本自動車テクノロジーエクスペリエンス調査(TXI: Japan Tech Experience Index Study)」の結果を発表した。
この調査は、新車購入後5~12カ月のユーザーを対象に、最新技術を用いた35の車載機能について、保有車両に装備しているか、次回購入車両に装備する意向はあるかを調べたもの。2019年8月に調査し、4194人から回答を得た。日本では2017年にパイロット調査を実施し、今回が初めての正式調査となる。
全機能の中でパイロット調査時より装備率が最も伸びたのは「車線逸脱警告システム(レーンキープアシスト)」で、2017年時点では51%だったのに対し今回は74%となり、2年間で23ポイント増加した。次いで「死角モニタリング/警告システム」が50%(2017年比15ポイント増)、「低速域衝突被害軽減ブレーキ」が63%(同14ポイント増)となり、安心・安全に関するADAS機能の装備率が急速に上昇していることが分かった。
次回購入車両への装備意向では、接続/通信サービス機能への関心が高まっているという。スマートフォン/携帯電話とのペアリング機能やハンズフリー電話機能などの装備意向率は53%で、2017年より10ポイント増加した。今後の装備意向では、若い世代ほど通信サービスや接続機能について関心が高く、年代が上がるにつれ安心・安全に関するADAS機能への装備意向が強まる傾向が見られた。
また、通信機能と車載システムの統合により、ハッキングなどのリスクが高まることについて、55%が「気にしている/やや気にしている」と回答した。前回より14ポイント増加している。また、ハッキングリスクを気にする人は、スマートフォンによる車両の遠隔操作や、ミラーリング機能を利用しているユーザーが多かった。車載機能がインターネットに接続する環境が増えるにつれ、ユーザーのリスク懸念が強まると予想される。
J.D. パワーは「自動車メーカーが注力するADAS機能や接続機能について、ユーザーの関心が高まっていることが改めて確認された。一方で、ユーザーは接続機能のセキュリティーリスクに不安を感じている。メーカーは、ADAS機能や接続/通信サービスのニーズに的確に応えつつ、信頼性が高い製品やサービス環境を提供することが重要な課題となる」とした。