日本マイクロソフトは2019年12月3日、視覚障害者向けのiOSアプリ「Seeing AI」が日本語を含む5カ国語に新たに対応したと発表した。毎年12月3日は障害者の社会参加の促進などを⽬的に国際連合が定めた「国際障害者デー」である。
Seeing AIをインストールしたiPhoneなどを周囲に向けると、カメラが捉えた状況を同アプリが音声で読み上げる。読み上げ機能は8種類ある。看板の説明やレストランのメニューといった短い文章を読み上げる「短いテキスト」、手紙や説明書といった長い文章を読み上げる「ドキュメント」、風景を説明する「風景」、お金の種類を読み上げる「通貨」、登録した人物の状態などを読み上げる「人」、明るさを音階で表現する「ライト」などだ。物体を識別するAI(人工知能)エンジンは同社のクラウドサービス「Azure」が提供する「Azure Cognitive Services」を利用している。
一般社団法人セルフサポートマネージメントで代表理事を務める石井暁子さんは、30歳当時の手術がきっかけで全盲となった。Seeing AIの利用に際して「郵便物や冷蔵庫の食材の確認など日常の身近な場面で使っている。自分でできることが増えて画期的(な技術)と感じた」と話した。