中国ZTEは2019年11月29日、世界初とするリニアモーターカーを使った商用5Gネットワークの超高速モビリティー実験をChina Telecom(中国電信)の協力の下で実施したと発表した(ZTEのニュースリリース)。中国上海にて、最高速度時速500kmで移動するShanghai Maglev(上海マグレブ:上海版リニアモーターカー)車内での通信状況を測定。高速で移動する列車内でも、商用5G端末を使って安定的で高性能な通信を確認できたとしている。

出所:The International Maglev Board
出所:The International Maglev Board
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 今回の実験では、ZTEが5Gネットワーク用の全機材を提供。これには、高速鉄道向けブロードバンド通信のカバレッジ向上に向け、様々な機能が搭載されている。独自のドップラーシフト補正技術を適用し、時速500kmを越える高速移動時の無線通信品質を維持。加えて、複数のRRU((Remote Radio Unit、リモート無線ユニット)を組み合わせることで、1セルにつき6~12kmの帯状のカバレッジを実現し、セル間のハンドオーバーを90%削減。安定した通信を確保している。従来高速鉄道用ネットワークに使用されてきた2T2R(送信アンテナ2本と受信アンテナ2本)に代えて、8T8R(送信アンテナ8本と受信アンテナ8本)のRRUを導入したほか、ビームスキャニング技術搭載の5G対応マルチチャンネル伝送装置を採用している。

 このように基地局側の機能を強化することで、乗客側の端末をアップデートすることなく、高速鉄道車内でのモバイル端末を使った仕事やビデオ会議、高解像度ビデオ視聴や双方向型のゲームなどで、今までにない体験を提供するサービスになっているとしている。

 今回実験に使用した高速鉄道向け5Gネットワーク環境は、世界的に主流な5G向け周波数帯であるN41(2.5GHz帯)やN78(3.5GHz帯)に対応している。ZTEでは、同社が世界最速だとする上海マグレブでの今回の実験結果を受けて、今後、この5Gネットワークソリューションを、世界中の商用鉄道や磁気浮上式鉄道に適用していきたいとしている。