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 リクルートキャリアが実施していた内定辞退率データの提供サービス「リクナビDMPフォロー」を巡り、個人情報保護委員会は2019年12月4日、同サービスを利用していた企業に個人情報保護法に基づき指導を実施したと発表した。合わせて同データを受け取っていた35社について、社名を公表した。リクルートキャリアと親会社のリクルートに対しても、8月26日の勧告内容以外にも個人情報保護法に抵触する事実が確認されたとして改めて勧告を実施した。

個人情報保護委員会が2019年12月4日に出した、リクルートキャリアの内定辞退率問題に関する指導・勧告の発表文
個人情報保護委員会が2019年12月4日に出した、リクルートキャリアの内定辞退率問題に関する指導・勧告の発表文
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 社名を公表した企業35社にはトヨタ自動車、三菱商事、デンソーなど全業種を通じて売上高の大きい企業のほか、テクノロジー関連企業ではNTTコムウェアやデンソーテクノ、東京エレクトロン、本田技術研究所、富士ソフトなどが含まれる。35社はいずれもリクナビDMPフォローの利用契約を締結していた。個人情報保護委員会は、各社が個人情報の利用目的について学生に通知したり公表したりする際に「内定辞退率について応募企業に通知されることまで学生が想像するのは無理がある、不適切で不十分な内容だった」(個人情報保護委員会)点を問題視した。

 リクルートキャリアとリクルートに対しても、2018年度の卒業生向けに提供していた「リクナビ2019」において、氏名の代わりにCookieを使って内定辞退率を算出して利用企業に提供していたことを問題視。提供企業側では個人を特定できる状況にあったが、リクルートキャリアは「自社側では個人を特定できない」ことを理由に個人データの第三者提供に関する同意取得を回避していたと認定し、法の趣旨を外れた「極めて不適切なサービス」(個人情報保護委員会)とした。

 さらにリクルートキャリアは、データの突合率を高める目的で利用企業から氏名の提供を受け、それをハッシュ化したうえで突合処理に使用していた。同社は「ハッシュ化すれば個人情報に該当しないという誤った認識」(個人情報保護委員会)で本人の同意を得ずにデータの提供を受けていたが、実際にはハッシュ化されていても個人を特定できる状態にあった。2019年度の卒業生向け「リクナビ2020」でも、プレサイトを開設した2018年6月からプライバシーポリシーを改定する2019年3月まで個人情報の第三者提供について同意を求める記述がなかった。

 同意のない状態で個人情報の第三者提供をされた学生の数は、2019年8月の勧告時には7983人だったが、今回新たに認定した勧告内容を含め2万6060人となった。

 リクルートキャリアは2019年12月4日夕方に声明を発表。「対象となった学生の皆さま、大学関係者の皆さま、リクナビDMPフォローをご利用いただいていた企業の皆さまに、改めて心よりおわびを申し上げます」としている。また、今回の問題に関する同社Webサイトの特設ページを更新し、同日の個人情報保護委員会の認定事実に関する状況説明を追記している。