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 個人情報保護委員会は2019年12月13日、個人情報保護法の次期法改正に向けた大綱を公表し、同日からパブリックコメント(意見募集)を開始した。リクナビ問題を踏まえて個人データの利用停止権などの拡充を検討し、2020年の通常国会に改正法案を提出する。

 法改正の大綱では、企業などが保有する個人データに対して、個人がデータの利用停止や消去、第三者提供の停止を請求できる要件を緩和する。従来は個人情報を目的外に利用した場合や不正な手段で取得した場合に限っていた。

 同委員会事務局は利用停止などができる場合の想定について、「思いがけない形でデータが処理されるなど、およそ了解しなかった重大な事案などの場合は利用停止の対象にされるべきではないかと思いながら事務局として詰めている」と明らかにした。就活生の知らぬ間にWeb閲覧履歴などが内定辞退率の算出に使われた「リクナビ問題」を踏まえた。

 さらに同委員会事務局は、迷惑なダイレクトメールなどを例に「平穏に過ごす権利や利益を侵害しているといえるものなどを適切に判断する」と説明。「主観的な権利や利益を侵害するプライバシー権に近いものを含めた条文にすべきだという議論をしている」と言及した。ただし利用停止などが困難で代替の措置を取る場合は、企業の負担軽減のため例外的に請求に応じないことも許容するとしている。

 一方、違法行為などを誘発する恐れがある方法で個人情報を利用するといった「適正とは認めがたい方法」による個人情報の利用は禁止を明確化する。差別の助長や違法行為が懸念される組織への名簿の提供、破産者らの個人データの不正提供といった例を想定しているという。

 また、企業の保有する個人データについて、個人がデジタルデータによる開示を指示できるようにする。企業が6カ月以内に消去する「短期保存データ」も本人からの開示や削除請求などの対象にする。一定数以上の個人データや要配慮個人情報などが漏洩した場合は委員会への報告義務を課し、本人への通知も原則義務化する。

 大綱はターゲティング広告で使われる個人情報を含まないクッキー(cookie)などの識別子にひも付けたユーザーデータについても言及した。企業がクッキーなどのユーザーデータを他社に提供して提供先の企業が個人を特定できる個人データになることが明らかな場合、第三者提供を制限する規律を適用する。基本的には提供先企業が本人の同意を取る必要があるとみられる。

 さらに、個人データの活用を促進するために新たな個人情報の類型として「仮名化情報」を導入する。仮名化情報は他の情報と照合しなければ特定の個人を識別することができないように加工した個人情報の類型となる。本人を識別せずに事業者内の分析に限定して、利用目的の公表などを前提に、開示や利用停止などの請求への対応の義務規定などは緩和する。

 認定個人情報保護団体については通信販売など特定の事業分野に限定した団体を認定できるよう制度を拡充する。個人情報保護評価(PIA)の推奨や個人データの取扱責任者の設置なども促す。