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 「ヘルスケア領域のさらなる成長の一手」(富士フイルムホールディングスの古森重隆会長・CEO)――。富士フイルムは日立製作所の画像診断関連事業を約1790億円で買収する。同社がこれまで手掛けていなかった、コンピューター断層撮影装置(CT)や磁気共鳴画像装置(MRI)などを得ることになる。強みとする画像診断関連のソフトウエアと組み合わせて売り上げ拡大を狙う。

富士フイルムホールディングスの古森重隆会長・CEO
富士フイルムホールディングスの古森重隆会長・CEO
(写真:日経 xTECH)
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 富士フイルムはCTやMRI画像を管理する医療用画像管理システム(PACS)の販売に力を入れている。さらに医療用画像の画像処理技術や、診断を支援するAIを活用したソフトウエアの研究開発も手掛けている。

 富士フイルムは買収の会見で、強みとするソフトウエアと世界に広がる販売網を生かせることを強調した。実際に2018年3月から欧州や中東、アフリカで日立製のCTを富士フイルムのブランドで販売してきた。CTと合わせて、富士フイルムが開発した画像のノイズを低減するソフトウエアなどを組み合わせて販売したところ、「非常に好評を得た」(富士フイルムHDの助野健児社長・COO)という。同社はCTの販売で得た感触に手応えを感じ、今後は他の製品でも同様に装置とソフトをセットにして販売していく方針だ。

 今回の買収ではCTやMRIに加えて、X線診断装置、超音波装置などのシステムと、電子カルテの研究開発や製造、販売、保守サービスも得る。

今回の買収で拡充する事業領域
今回の買収で拡充する事業領域
(写真:日経 xTECH)
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 富士フイルムは化粧品やサプリメント、医療機器、医薬品、再生医療等製品、バイオ医薬品の受託製造開発などのヘルスケア領域を同社の基幹ビジネスと位置づけている。

 2018年度のヘルスケア領域の売り上げは4843億円で、2019年度は5200億円を見込んでいる。今回の買収での効果も合わせて2020年代半ばには売り上げ1兆円規模を目指す。