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 米Qualcomm(クアルコム)は2019年12月13日、移動通信の標準化団体3GPPのRAN第86回会合(2019年2月9~12日、スペインSitgesで開催)で合意されたRelease 17の24のプロジェクトに関する概要解説を自身のブログに掲載した(Qualcommのブログ)。以下はその要約となる。

ある3GP RAN総会の様子
ある3GP RAN総会の様子
いつも大賑わいとなっている。出所:Qualcomm
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モバイルブロードバンド高速化とその応用

 Release 17では、ネットワーク容量やカバレッジ、遅延時間や端末の電力性能、モビリティーの改善に加え、5G NRのさらなる性能、効率改善を目的としたmassive MIMO技術改善も進めていく。ミリ波帯や、端末と複数のセルとの送受信を可能にするmulti-transmission-point operation、より高度なモビリティーなどの実現に向けたビーム管理が主な改善点となる。

 6GHz帯以下の周波数帯(FR1)と24.25G~52.6GHzまでのミリ波帯(FR2)のカバレッジ改善に向けて、メッシュ型ネットワークトポロジーへの第一歩となるIAB(Integrated Access and Backhaul、統合アクセス、バックホール環境)も検討していく。5G NR+LTE、5G NR+5G NRといったデュアルコネクティビティーや、周波数共有、マルチSIM、公共安全などに向けたマルチキャスト通信(特定の複数のネットワーク端末への同時データ送信)などの検討も進める。

 加えて、52.6GHzを超える周波数帯への対応や、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing、直交周波数分割多重方式)の高周波数帯サポートについても、Release 17で検証し、標準化を進めていく。

Release 17でも5G NRブロードバンドに向けた仕様強化を継続する
Release 17でも5G NRブロードバンドに向けた仕様強化を継続する
出所:Qualcomm
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IoTへのサポート強化

 Release 17では、IoTに向けた強化策として、eMTC(enhanced Machine Type Communication)やNB-IoT(NarrowBand IoT)より高機能で、5G NR eMBB(enhanced Mobile BroadbBand、高速大容量通信)、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications、超高信頼低遅延通信)より狭い周波数帯域での通信が可能なNR-Lightを導入する。NR-Lightは、帯域幅10M~20MHzを使って、下りリンク時100 Mビット/秒、上りリンク時50 Mビット/秒のスループットを実現し、高機能なウエアラブル端末や産業向けカメラ、センサーなどに適した機能を提供する。3GPPでは、この活動と並行してeMTC(LTE-M)やNB-IoTの機能改善や、衛星通信への適用なども進めていく。

5G NR-Lightを導入して5G IoTへのサポート強化を進める
5G NR-Lightを導入して5G IoTへのサポート強化を進める
出所:Qualcomm
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