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 NTTと三菱商事は2019年12月20日、様々な産業分野でDX(デジタルトランスフォーメーション)を共同推進する業務提携で合意した。まず食品・材料の物流分野を対象に、配送や在庫を効率化するDX基盤を構築する。三菱商事のグループ会社で活用するだけでなく、他社への外販も目指す。

三菱商事の垣内威彦社長(左)とNTTの澤田純社長
三菱商事の垣内威彦社長(左)とNTTの澤田純社長
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 「物流DX」を推進するため、2社は欧州の地図大手ヒア・テクノロジーズ(HERE Technologies)に出資する。NTTと三菱商事がオランダに折半出資で特別目的会社を設立し、同社を通じてヒアに30%を出資。ヒアに対しては「役員を派遣し、経営にも参画する」(NTTの澤田純社長)方針だ。2020年春にも規制当局の承認を得て、手続きを進める予定とした。

 食品流通のDXでは、NTTが持つAI(人工知能)やブロックチェーンの技術を活用する。AIで店舗の需要予測の精度を高めるほか、需要に基づいて算出した発注情報を卸業者や物流企業、川上のメーカーにまでリアルタイムで共有する。これにより、余剰な在庫や生産をなくし、在庫コストや廃棄ロスの削減を狙う。

 2社はローソンやライフコーポレーション、三菱食品といった三菱商事グループの各社に導入を提案する。グループ会社で実績を積んだうえで、他社にも採用を働きかける方針だ。三菱商事の垣内威彦社長は「流通各社は非競争分野で課題を抱えている。廃棄ロスの増加などだ。業界横断で課題を解決していきたい」と意気込みを語った。

 DX基盤の開発は物流以外にも順次広げる。NTTの澤田社長は「三菱商事は様々な産業分野での知見と経営資源を持つ。これにNTTのデジタル技術を融合する」と話した。受発注や決済、予測など、様々な企業や産業で幅広く利用できる協調領域でDX基盤を構築していくとした。

 2社はヒアの経営にも参画する。カーナビゲーション装置や産業用途に地図データを提供するヒアは欧州や北米、南米で高いシェアを持つ。一方、日本は事業立ち上げの途上だ。経営参画の要請はヒア側からあったといい、2社はヒアの地図データを活用した物流ソリューションを開発するとした。これにより、日本ならびにシェアが低い東南アジアでの需要開拓を後押しする考えだ。