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 カナダのリチウム鉱山会社であるネマスカ・リチウム(Nemaska Lithium)は2019年12月23日(現地時間)、日本の会社更生法に相当する企業債権者調整法(CCAA)の適用を申請すると発表した。同社にはソフトバンクグループが約80億円出資し、ソフトバンクGはネマスカのリチウム年間生産量の最大20%を購入する権利を持つ。

 ネマスカはリチウムイオンバッテリーの原料であるリチウムの採掘に加え、精錬もする企業だ。カナダのケベック州ワブチに世界有数のリチウム鉱山を保有し、リチウムを含む鉱物である「リチア輝石」の採掘を目指していた。ワブチに近いシャウィニガンに、リチア輝石を高純度の水酸化リチウムと炭酸リチウムに精錬するリチウム精錬プロセス工場も建設していた。

ネマスカ・リチウムのリチウム精錬プロセス工場
ネマスカ・リチウムのリチウム精錬プロセス工場
(出所:カナダのネマスカ・リチウム)
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 リチウムの市場価格は2019年に入って急落している。市場環境の悪化に加え、同社のリチウム鉱山やリチウム精錬プロセス工場の建設コストが当初見込みに比べて増加した結果、資金繰りが厳しくなり、CCAAの適用を申請した。

 ソフトバンクGは2018年にネマスカへ9900万カナダドル(約80億円)を出資したほか、子会社であるSBエナジーの三輪茂基社長がネマスカの取締役を務めている。ソフトバンクGは日本国内だけでなくインドやサウジアラビアでギガソーラー(ギガワット級の大規模太陽光発電所)を建設する構想を発表済みで、ネマスカの出資には、太陽光によって発電した電力を貯蔵するシステムに必要となるバッテリーの原料を事前に確保する狙いもあった。ネマスカの経営破綻はソフトバンクGのエネルギー事業戦略にも影響を与えそうだ。